災害派遣医療チーム
のこと。
Disaster Medical Assistance Team
のイニシャルを取って名付けられた。
広範囲の自然災害や大規模な事故、またはテロなどが発生した場合に、発生後48時間以内に現場に入り、直ちに負傷者の緊急治療などの活動ができるように、特別に教育・訓練された機動性の高い医療チームのことである。
DMATは主に、以下の4人で構成されている。
- 医師×1人
- 保健師看護師×2人
- 業務調整員×1人
以上の医療関係者4人でDMAT1チームとなる。
具体的にDMATは、
- トリアージ(負傷者の優先順位の設定)
- 応急処置
- 重症患者の医療機関への搬送
- 現場の病院支援
- 他の医療チームや医療関係団体との連携
という活動を現地で行う。
状況によっては、災害現場にDMAT活動拠点本部が設置され、そこを中心に活動を行うことがある。
■DMATの発足
DMATは、1995年に発生した阪神淡路大震災による負傷者の多くが適切な治療を受けられなかったために死亡している事実を鑑み、2005年に厚生労働省によって発足した。
医師や看護師などの医療従事者が特定の施設(災害医療センター等)において、「日本DMAT隊員養成研修」を受けて修了し、厚生労働省に登録された者(医師、看護師等)がDMAT登録者となる。
つまり、DMATは厚生労働省の管轄下のチームということになる。
2005年に発生したJR福知山線の脱線事故や、2008年の宮城・岩手内陸地震災害、2011年に発生した東日本大震災などにおいて、数多くのDMATが派遣され、活躍した。
特に、東日本大震災では約380チームが現地に派遣されて活躍したという。
■DMATが派遣されるまでの流れ
DMATは厚生労働省の管轄にあるため、
厚生労働省に対して自治体からの派遣要請が出される必要がある。
災害発生
↓
被災地の自治体から厚生労働省へDMAT派遣要請
↓
厚生労働省から被災地の自治体および被災地近隣の自治体にある
DMAT指定医療機関へ通達
↓
DMAT指定医療機関は所属するDMAT登録者へ派遣を指示
↓
DMATが現地入りして活動
以上がおおまかなDMAT派遣の流れである。
関連項目