生きてる間に王位や皇位を譲り渡すこと。
海外の王制の国では、
生前退位は珍しいことではない。
一方で日本では、天皇の位は終身制で、崩御(亡くなられること)されるまで、皇嗣(こうし※)に移譲されることは無かった。
※天皇の後継ぎのこと
しかし、2017年に皇室典範に特例法が制定され、日本でも生前退位が可能となった。
・生前退位の意向
2015年夏ごろ、当時の明仁(平成)天皇が、生前退位の意向を示したことが翌年の2016年7月13日に明らかになった。
生前退位の理由として、
「年齢によって公務に制限が加えられ、公務がまっとうできないから」
ということだった。
公務をまっとう出来てこそ、“日本国の象徴”
というのが、平成天皇の信念らしい。
天皇の高齢を考慮して、
宮内庁は、年々公務の数を減らしてきた。
しかし、これ以上公務を減らすとなると、
“象徴としての地位と活動は一体不離”
という、平成天皇の信念が守れなくなる。
そのため、今後のことを考え、平成天皇は生前退位の意向を示した。
皇太子さまたちも、
その意向を受け入れたという。
・皇室典範の改正は?
生前退位が認められるためには、
皇室典範第四条の
「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」
を改正しなければならないと思われた。
しかし、実際には、
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」
(成立:平成29年6月9日 公布:平成29年6月16日)
が制定され、特例として生前退位が法的に認められるようになった。
これによって、皇室典範第四条は改正されず、そのまま現行の法律として機能することになった。
次の天皇は皇太子の徳仁さまが即位された。
(2019年5月1日 即位)
ちなみに、明仁天皇は退位後、上皇となられた。
・生前退位した外国の王または女王
- エドワード8世(英)
1936年退位
- ウィルヘルミナ女王(オランダ)
1948年9月4日退位
- ユリアナ女王(オランダ)
1980年4月30日退位
- ベアトリックス女王(オランダ)
2013年4月30日退位
- レオポルド3世(ベルギー)
1951年7月16日退位
- アルベール2世(ベルギー)
2013年7月21日退位
他にもあると思われる。
関連項目