- イタリアのマフィア(犯罪組織)の名前
のこと。
つづりが ‘Ndrangheta であるため、ヌドランゲタと発音されることもある。
ンドランゲタはイタリアの4大マフィア※の一つである。
(※カモッラ コーザ・ノストラ サクラ・コローナ・ウニータ ンドランゲタ)
19世紀はじめ頃(スペイン・シチリア両ブルボン王朝時代)に誕生したと言われている歴史の長い組織で、イタリアのカラブリア州を拠点としている。
カラブリア州とは、イタリア本土の最南部に位置する州。
(いわゆる、ブーツのつま先)
ンドランゲタは、4大マフィアの中でも最も規模が大きい組織で、非常に暴力的な組織として現地では有名だった。
- 麻薬密売
- 武器密輸
- 放射性物質の不法投棄
- 恐喝
- 誘拐
など、犯罪の例を挙げるとキリがない組織だった。
皮肉なことに、2007年当時のイタリアのGDPの3%※を犯罪組織のンドランゲタが稼ぎ出していたというデータがある。
(※482億8650万ユーロ≒7兆7258億4000万円)
・幹部逮捕で話題に
2016年1月29日、指名手配中のンドランゲタの幹部二人※が逃亡から10年以上経ってから逮捕されたことが報道され、ンドランゲタの名前がネットメディアでも話題に上った。
ンで始まる名前が珍しいこともあって、当時の検索エンジンのキーワードランキングの上位になった。
(※ジュゼッペ・フェラーロ(Giuseppe Ferraro 当時47歳) ジュゼッペ・クレア(Giuseppe Crea 当時37歳)
二人は、カラブリア州山中の隠れ家に住んでいたという。
山中に倉庫のような住居を作って隠れ住んでいたものの、マフィア同士のトラブルなどを解決する役割を続けていたため、それが仇となって逮捕に繋がった。
・変わった名前の語源は?
“ん”で始まる変わった名前のンドランゲタだが、その語源には2つの説があり、
- ギリシャ語「andragathía」(男らしさ、勇気)
- 古イタリアの地域名「Andragathia Regio」
(カラブリアとバジリカータを含めた地域)
のいずれかから派生した名前だと言われている。
ンドランゲタの拠点があるカラブリア州一帯は、かつてはギリシャ人が多く住んでいた地域だったため、どちらの語源説も非常に有力であり、一方を否定することができない。