GHQの闇資金
のこと。
戦後、GHQが日本国内で接収・押収した貴金属や宝石類などの財産や資産の一部を、非合法に流用して作った資金と言われている。
M資金のMは、
- William Frederick Murcutt
(ウィリアム・フレデリック・マーカット) - Douglas MacArthur
(ダグラス・マッカーサー)
の2人の人物の頭文字から来ている。
ウィリアム・フレデリック・マーカットはGHQの経済科学局の二代目局長で、マッカーサーはGHQの最高司令官。
2人ともGHQを事実上牛耳っていた大物たちである。
そんな2人が関わっているとされるのがM資金であり、昭和から現代までに起こった巨額詐欺事件のキーワードとして“M資金”という言葉がしばしば登場する。
・M資金の発端
M資金の存在が囁かれるようになった発端として、主に以下の理由がある。
- GHQによる日銀金庫調査・押収時に、不正にダイヤモンド500個が隠され、米国へ持ち出されていた。
(持ち出したのはエドワード・マレー)
- GHQの幹部らが、帰国後に次々と汚職や横領などで逮捕されていた。
- GHQが押収した資産や財産は、日本の戦後復興の資金として使われたが、一部の資金の流れに不透明な部分があった。
- 旧日本軍が東京湾(越中島の海底)に隠していた貴金属が米軍に発見されていた。
- 戦後の裏市場、いわゆる“闇市”に、大量の軍需品が流れて売られていた。
(GHQチャールズ・ウィロビーによる四谷資金の資金源?)
以上のような事件や事実があったことから、GHQがらみの不正な闇資金の存在がまことしやかに囁かれるようになった。
また、高度成長期における様々な調査によって、戦後の混乱期における、当時の様々な“うさんくさいカネの流れ”が明るみに出た。
(GHQ以外のものも数多くある。)
それが、様々な出版物やTVの特番などの娯楽的なマスメディアの登場によって、大々的に世間に広められたことも、M資金の存在を匂わせるのに拍車をかけている。
・M資金は実在するのか?
それは“悪魔の証明”と同じ。
“ないことは証明できない”ということ。
筆者個人の見解としては、“今は無い”と考えている。
それはつまり、M資金に準ずるような闇資金は当時はあったと考えられるが・・・。
今となっては、時代を経て形を変えたり、分散されたりして使用され、現在は残っていないということ。
ビジネスや投資、資金運用の話を持ちかけてくる人物が、
- M資金
というキーワードを出して存在を匂わせたなら、その人物は限りなく“詐欺師”に近い存在と考えていいだろう。
関連項目
なし