似た字を書き間違えること
という意味である。
日常ではあまり使われない諺(ことわざ)の一つである。
具体的には、態を熊と書き間違えたり、恋愛を変愛と書いてしまった時などに使う。
諺では、魯を魚と書き間違えることを表現しているのだが、そもそも日本では、魯という漢字は一般的ではなく、魚と書き間違えるというケースはまずない。
(魯という漢字そのものを知らない人もいる。)
・魯魚の誤りの由来
魯魚の誤りの由来は、古代中国(普の時代)の書物
「抱朴子(ほうぼくし)」(全72編)のうちの一つ、
「内編」(20編)の中の遐覧(からん)編に由来する。
要約すると、書物を書き写す際に、魯と魚という字を写し間違えるケースが多かったため、魯魚の誤りという表現が出来た旨が書かれていたらしい。
その表現が日本に伝わり、
「魯魚の誤り」という諺として収められたということになる。
確かに、古代中国の時代に印刷技術があるわけはなく、昔は人海戦術で写本することで書物を発行していた。
当然のことながら、人のやることには100%は無く、ミスをすることもある。
書物を書き写す際に、似たような字を書き間違えることが多々あったらしい。
しかも、写本の元になる書物は、筆による毛筆体なので、文字を正確に視認できず、書き間違えることは尚更多かっただろうと想像できる。
ちなみに、魯魚の誤りの類似の諺で、
- 焉烏(えんう)の謬(あやまり)
- 亥豕(がいし)の誤り
がある。
これらの諺も魯魚の誤りと同じ意味である。
関連項目
なし