アウフヘーベン(独:Aufheben)をわかりやすく言うと、
対立(矛盾)する2つのモノを
別の目的で1つにして発展させること
という意味。
2017年当時の小池都知事が、築地・豊洲移転問題の解決方法や、当時の新党「希望の党」の設立を語る際に、マスコミに対して使った言葉がアウフヘーベンである。
アウフヘーベンを日本語で表現すると、
- 止揚(しよう)
- 揚棄(ようき)
と、広辞苑などの辞書には記載されている。
止揚や揚棄とは、
「物事を一旦棚上げ(揚げ)して、別の側面で、棚上げした物事を使って発展させる。」
という意味である。
これらの言葉すらも、
耳慣れない難解な言葉であることは否めない。
(書いている私自身にも難解でしっくり来ない。)
そこで、個人的な主観ではあるが、ドラゴンボールという馴染みの深い作品を使ってアウフヘーベンを表現してみた。
ドラゴンボールに登場するキャラクター、孫悟空とピッコロ大魔王は相反する存在で、対立するライバル同士だった。
しかし、サイヤ人(ラディッツ)の襲来によって、相反する2人が「地球を守る」という新たな目的で力を合わせて撃退した。
また、更に1年後にやってくる新たな敵(ベジータ&ナッパ)に向けて更なる修行が必要ということで、かつての仲間たちや界王までも巻き込んで「地球を守る」という目的のために一眼となって修行に励んだ。
その結果、見事にサイヤ人たちを撃退した。
このことによって、悟空ファミリーとも言える、一つの強大な組織のようなものが出来上がり、やがて、地球はおろか、全宇宙を(結果的に)守る集団へと発展した。
(その頃には、ヤムチャは消え、ベジータすらも仲間になっているがw)
つまり、相反する2つの要素が別の目的で1つとなり、素晴らしい結果を生んで、より発展したということになる。
これこそがドラゴンボールにおける、アウフヘーベンではないだろうか。
例えとしては、「違うんじゃないのか?」と思う人もいるかもしれない。
しかし、ドラゴンボールという知名度が高くてわかりやすい作品を例えに使うことで、
アウフヘーベンという難解な言葉を、すこしでもわかりやすく表現できたと思う。
・アウフヘーベンが話題になった理由
アウフヘーベンという言葉が話題になったのは、2017年当時の小池都知事が、希望の党という新政党を立ち上げた際によく使った言葉だからである。
しかしながら、それ以上に、
- とにかく難解な言葉
だから話題になったのも確かである。
元々、アウフヘーベンはドイツ語で、ヘーゲル哲学における弁証法の用語であり、それ自体が一般の人には難解な学問の言葉である。
そのため、当時の小池都知事が、アウフヘーベンという言葉を使うたびに、
「何回聞いても意味がわからない。」
「検索エンジンで調べても、書かれてる意味自体が理解できない。」
などと混乱を招いた。
当時の検索エンジンのキーワードランキングで上位に食い込んだ理由はこれである。
また、2017年度の日本の流行語大賞にノミネートされるほど、”難解な言葉“として世間を騒がせた。