気圧の単位
のこと。
表記はhPa。
ヘクトパスカル自体は、
圧力の単位である“パスカル”の100倍の値を表す言葉。
つまり、100Pa=1hPa となる。
あくまでも圧力の単位なので、気圧の単位と決めつけることはできない。
しかしながら、現状でhPaは、
“天気予報などの気象関係の情報でしか使われない単位”
なので、結局は“気圧の単位”という位置付けになる。
・高気圧と低気圧
高気圧と低気圧は、その天域(天気のエリア)の中心気圧が基準値より高いか低いかで決まる。
気圧の基準値は1気圧で、
1気圧=1013hPa※
(※厳密には1013.25hPa。)
であるため、1013ヘクトパスカルよりも高い数値が出た場合を高気圧、低い場合を低気圧と考えていい。
しかしながら、厳密には、
“その天域の中心気圧の平均気圧を基準として高気圧か低気圧かを判定する”
ため、1013よりも高い低気圧もあれば、低い高気圧もある。
例えば、1013ヘクトパスカルよりも低い996hPaという高気圧が、過去にアリューシャン近海で発生したことがあった。(2014/1/21))
また、シベリア高気圧の中には、1030hPaを超える低気圧もしばしば存在する。
シベリア高気圧は基本的に中心気圧の平均値が1035~1040前後と高いため、中心気圧が1030くらいの高さであっても低気圧扱いになる。
余談だが、一般的に、高気圧=晴れ と考えていいが、必ずしも気温が高いというワケではない。
(冬は高気圧であっても気温が低め。)
また、低気圧の場合は、必ずしも雨や雪になるということはなく、曇りや風が強い状態になるだけの場合もある。
・9××ヘクトパスカルの意味
天気予報の台風情報で、
「中心気圧が960ヘクトパスカルで・・・」
などと気象予報士が解説することがある。
この“960”という数値が、
台風の中心気圧の数値を表すということ。
大体、猛烈と呼ばれる台風ほど、このhPaの数値が低い傾向にある。
例えば、990hPaくらいだと、風が強めの低気圧程度。
しかし、920hPa代になると、歴史に残るような甚大な被害をもたらしかねない、強い風が吹く可能性がある台風となる。
だからといって、hPaの数値が低くても、必ずしも強大な台風になるとは限らない。
台風による被害は、主に強い風。
車や家の屋根を吹き飛ばすような強い風は、気圧の傾斜が急な場合に発生する。
気圧の傾斜が急かどうかを確かめるには、天気図に出ている「等圧線の間隔が狭いかどうか」を確認すれば判る。
等圧線の間隔が狭ければ狭いほど、その部分の気圧が激しく変化しているということ。
そこから、猛烈な風が吹いてくる。
つまり、ヘクトパスカルはあくまでも気圧の目安であって、台風の強大さを表すワケではない。
・ヘクトパスカルとミリバールの違い
実は基本的にはどちらも同じで、
ミリバールも気圧の単位のひとつ。
1mb(ミリバール)と表記する。
単に、ミリバールという単位が日本で公式に使われなくなったため、代わりにヘクトパスカルを使うようになった。
ちなみに、
1気圧(atm)を基準とすると、
1atm=101325パスカル=1013.25ヘクトパスカル
1atm=1.01325バール=1013.25ミリバール
となる。
つまり、ヘクトパスカルもミリバールも数値上は変わらない。
・ミリバールが使われなくなった理由
元々、ミリバールは、
日本の基準で使われていた気圧の単位だった。
1954年に国際単位系(SI)が採択されて以来、その流れが世界各国共通となった。
そこで、日本も1992年から国際単位系(SI)に則り、ヘクトパスカルを使うようになった。
要するに、日本側が、先進国が主体とする国際基準に合わせたということである。
関連項目