カルガモ走行とは何なのか意味をわかりやすく解説(ETC不正通行)

カルガモ走行とは、

前の車にくっついて走行し、
ETCセンサーに1台の車両と誤認させ、
料金を払わず不正通行する犯罪行為

のこと。

車の後ろにピタリとくっついて走る姿が、カルガモの雛が親鳥の後ろをくっついて歩く姿に酷似しているところから名付けられた。

「ETCセンサーの脆弱性」と「高速料金徴収システムの不備」を巧みに突いた犯罪行為である。

カルガモ走行は、ETCが導入された2001年当時から行われている不正行為であり、たびたび逮捕者が出て話題になる。

話題に上がるたびに、大手検索エンジンで、「カルガモ走行」の検索ボリュームが急上昇する傾向にある。

カルガモ走行が行われる時期は、GWやお盆などの長期休暇で交通渋滞が発生する時期ではあまり行われず、すこし時期がズレた6月や9月に発生件数が増える傾向にある。

近年では、2023年6月に、東名高速および首都高速でカルガモ走行を繰り返した2名の陸運業者が逮捕された。

この業者は、3年にわたって約850回にも及ぶカルガモ走行で不正通行をくりかえし、約750万円もの通行料金の支払いを免れていた。

使用されたトラックは、オークションで落札されたもので、運輸支局に未登録だった。

・カルガモ走行による不正通行の手口

カルガモ走行による不正通行は、主に以下のような手口で行われる。

  1. まず「一般用入口」から高速道路に入る。
    (これでETCに記録されない。)
  2. 走行中に、「親」になりそうな車を探す。
    (主にETCを常用している物流のトラックが狙われやすい。)
  3. ETC出口でカルガモ走行して不正通行。

高速道路の入り口でETCカードを挿入すると通行の記録が残るため、入口は「一般用入口」を利用する。

出口では、なるべく目立たないよう、「親」の車に選ばれるのはトラックなどの大型車が多い傾向にある。

・カルガモ走行の危険性

カルガモ走行は、以下のような危険性がある。

  • 前走車との車間距離が短いため、追突などの事故につながるリスクが高い。
  • 追突事故が発生した場合、後続車のドライバーは重い責任を負うことになる。
  • カルガモ走行を行うことで、交通の流れが乱れ、他のドライバーの安全を脅かすことになる。

・カルガモ走行は道路整備特別措置法の違反対象

カルガモ走行は、道路整備特別措置法に抵触している。

道路整備特別措置法第24条第3項に違反→30万円以下の罰金
(罰則規定は道路整備特別措置法第59条に規定)

罰金の他に、不正で免れた通行料が加算される。
ほとんどの場合、通行料は割増されて加算される。
(道路整備特別措置法第59条に規定)

・カルガモ走行の対策

カルガモ走行の対策として、以下の取り組みが行われている。

  • ETCセンサーの改良
  • 警察による高速道路の出口での監視強化

ETCセンサーの改良では、車両の長さをより正確に測定できるようにするなどの対策が行われている。

また、高速道路の出口では、カメラやパトロール車による監視を強化することで、カルガモ走行の取り締まりを強化している。

しかし、カルガモ走行は、比較的簡単に行える行為であるため、完全になくすことは難しく、もぐらたたきをつづけなければならないのが現状である。

・偶然またはうっかりミスでカルガモ走行をしてしまった場合

場合によっては「車間距離を詰めた状態でETCレーンに入ってしまい、バーが反応せずに降りなかった」というケースも十分ある。

不正通行の意図が無かったとしても、これを放置すると道路整備特別措置法違反になってしまう。
なので、後で必ず高速道路会社に申し出て、料金を支払うほうが無難である。

ETCの入口で前走車からバーが降りないまま通過してしまった場合は、出口の料金所で「一般用」出口を利用し、事情を説明すれば、その場で料金の処理をしてもらえる。

出口でカルガモ走行になってしまった場合、慌てず安全な場所に車を停め、後から高速道路会社に連絡をし、料金支払いに関する指示を受ける。

 


関連項目

ETC(電子料金収受システム)


 

TOPへ戻る

索引か行に戻る

サイトトップへ戻る