【あらすじ本舗】MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~ Final Episode(10話) あらすじ

このページには、ドラマ「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~ Episode #10(Final Episode)」のあらすじが書かれています。

ネタバレがありますので、
まだ本作を観たことが無い人は読まない方がいいと思います。

それでも読みたい方は、
ネタバレがあることを納得の上で、
全て自己責任でお読みください。

 

■MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~ Episode#10 あらすじ

ついに、サルドニア共和国大統領の来日の日がやってきた。

捜査第一課課長・村瀬(鶴見辰吾)は、大杉(香川照之)が語る大統領暗殺計画及び陰謀説を信じてはいるものの、決定的な証拠がない。

また、捜査一課は立場的に殺人事件の捜査しかできない状態であったため、大杉の空港捜査を認めるワケにはいかなかった。

しかし大杉は、「新谷宏美が空港にいるというタレコミがあった」と村瀬に報告。
それを聞いた村瀬は、大杉が空港に行くことを認めたのだった。

村瀬を説得した大杉(香川照之)は、捜査一課の面々を引き連れ、大統領の到着する空港へ急行する。

大統領の警護を指揮するのは、裏で大統領の暗殺を狙う公安部の室井(生瀬勝久)である。
もはや、一刻の猶予もない。

津城(小日向文世)は室井の策略で公安に拘束され、動くことが出来ない。
しかし、津城は落ち着いていた。
自らが動けずとも、例の三人が独自に動いてくれることを信じていたからだった。

 

─── 療養中の美希(真木よう子)、そして倉木も、それぞれ公安の監視を振り切り、既に空港へたどり着いていた。

そして、大勢の利用客で溢れる空港の中には、女装した百舌・新谷宏美(池松壮亮)の姿もあった。

大統領一家を乗せた旅客機が滑走路に降り立ち、空港では盛大な歓迎レセプションが始まる。

空港についた大杉は、部下たちに命じて、爆弾を探させていた。

そこへ公安の刑事たちがやってきて大杉に食って掛かるが、殺人犯の捜査だと言って一蹴する。
そして皮肉を込めてこう言った。

「室井さんに伝えてください。「くれぐれも新谷宏美に殺されないでくださいよ」ってね。」

 

─── 空港内の一室では、サルドニア大統領の歓迎レセプションが行われていた。
大統領と森原官房長官が握手をする。
誰もが微笑ましいと思う歓迎のシチュエーションであった。

倉木は離れた場所から、捜査員たちと警護にあたる室井を監視する。

室井が単独で動き出せば、爆弾を起動させに行く可能性が高い。

倉木は室井を尾行するが、その背後に室井の命を受けた公安部の村西(阿部力)が迫り、公安の監視を振り切った罪で拘束されてしまう。

実は既に、倉木は室井の監視下にあった。
室井は、倉木が空港に現れるのを予測しており、空港の監視カメラで常に倉木を監視していたのだった。

そして、空港内で拘束した倉木を、爆弾テロの犯人に仕立て上げるつもりだったのだ。
「それが俺たちのやり方だろ?」
室井は無表情で倉木に言った。
倉木は驚きもせず、ただ室井に一言こういった。

「あんたは間違ってる」

室井は、「それは我々が判断できることじゃない」と言い残し、監視に任せて立ち去っていった。

室井が行った場所には、レセプション用に用意されたプレゼントが積まれていた。
室井は、プレゼントの中から一つを選び、持ち出した。
その中には爆弾が入っていた。

あらかじめ用意したパソコンのプログラムを使い、爆弾と起爆装置を連動させた。

「動くな」

室井が振り向くと、銃を構えた美希が立っていた。

 

─── 一方大杉は鳴宮(伊藤淳史)の協力を得て、爆弾が発している電波を探していた。

強力なハッキング能力を用いた鳴宮は、空港内をモニター監視し、爆弾の位置を特定しようとしていた。

鳴宮は、通信機器の電波と空港用の無線のモニタリングをカットすることで、未登録の不審な電波が発信されていることを発見した。

発信場所は、空港3階のラウンジのバックヤード。
従業員などの関係者のみが出入りする場所だった。

 

─── 銃を向けられた室井は、恐れることなく落ち着いた様子で、倉木の妻が爆弾を起動させた理由を語り始めた。

飛行機の離着陸の騒音が、室井の声をかき消す。

戸惑いの表情を見せる美希。
(美希には聞こえていた。)

「君が追い求めているお父さんの真実も同じなんだよ。本当に知る覚悟があるのか?」

室井の言葉に激しく動揺する美希。

その一瞬のスキを突いて、室井はアイスペール(氷入れ)で美希を殴って気絶させた。

 

─── 大杉がバックヤードに駆けつけると、美希が倒れていた。

美希から、室井が爆弾と起爆装置を持って逃げたという情報を聞き、大杉は慌てて鳴宮に電話する。

鳴宮がチェックすると、爆弾はレセプション会場へと向かっていた。

 

─── そのころ、倉木は室井の部下たちに連行され、車に乗せられていた。

行く先不明の車が陸橋を超えてトンネル内を走る。

そこへ、倉木に電話がかかってきた。
室井の部下は、電話に出ることだけは承諾した。
大杉からだった。

大杉から情報を得た倉木は電話を切り、隙を見て室井の部下たちを倒す。

車はトンネル内で事故って停止し、倉木は脱出することができた。

あっさりと手錠を外した倉木は、再び空港へ向かう。

 

─── 空港内は大騒ぎになっていた。

レセプション会場に爆弾があることを知った大杉が、会場の皆に知らせたからだ。

大統領はVIP室に保護されていた。

大杉の携帯に電話がかかってきた。
鳴宮からだった。

なんと、爆弾はVIP室に移動しているという。

その話を聞いた大杉は、バックヤードに入った時にすれ違ったレセプション用の飾りを運ぶ台車のことを思いだし、VIP室へ急行するのだった。

─── 一方、起爆装置を持った室井は、エレベーターで上の階に上がっていた。

先に乗っていた女性が降り、再びエレベーターが上昇した。

その時、エレベーターのガラス天井を突き破り、新谷宏美がアイスピックで襲い掛かってきた。

もみあいになり、足を刺された室井だったが、拳銃を発砲して新谷を撃退。
しかし、急所には当たっておらず、再び襲撃され、肩などを何度か刺されてしまった。

必死に抵抗する室井との乱闘中に、新谷は下に転落し、モニュメントに突き刺さってしまう。
まるで百舌のはやにえのように。

空港内は爆弾のパニックで大騒ぎになっているため、ふたりの戦いには誰も気づいていなかった。

しかし、ちょうど空港に舞い戻った倉木は、モニュメントに突き刺さった新谷を目撃する。

倉木が上を見ると、室井がいた。

倉木は、室井を追うために上の階を目指した。

 

─── VIP室から大統領を避難させ、爆弾を発見した大杉だったが、起爆装置が電波の届く圏内に入っていることを鳴宮から聞かされた。

自身も脱出しようとする大杉だったが、大統領の娘がテーブルの下に隠れているのを発見する!
かくれんぼ好きな娘は、混乱に乗じて逃げずに隠れてしまっていたのだ。

爆発を止めようとする倉木をあざ笑うかのように、室井は起爆装置のボタンを押した。

大杉は、娘を抱きかかえ、爆発の直前に間一髪で脱出した。

傷ついた大杉を、駆けつけた美希が介抱する。

娘は無事だった。

倉木が室井の方を見ると、既にいなくなっていた。
そして、モニュメントに貫かれて倒れていた新谷の姿も無くなっていた。

点々と続く血の跡を倉木が追う。

血の跡は、空港の地下の排水施設へと続いており、排水施設の奥は下水道となっていた。

倉木は奥へと進む。

下水道の奥には梯子があり、室井が梯子を登ろうとしていた。

倉木は、「一緒にこの国を変えよう」という室井の誘いを断り、最後の戦いが始まった。

格闘の末、ピンチになった室井は拳銃で倉木を2発撃った。
倉木の額に拳銃を突きつけ、とどめを刺そうと室井は引き金を引いたが、弾切れだった。

仕方なく銃で倉木を殴り倒した室井は、拳銃を捨てて梯子を登ろうとした。

そこへ、血まみれの新谷宏美が現れ、幽鬼のようなフラフラな足取りで室井に迫る。

空港で新谷に刺された傷と、先ほどの倉木との格闘で体力を使い果たしていた室井は、新谷を撃退する力が残っていなかった。

室井は新谷に頸部をアイスピックで貫かれて絶命した。

新谷が力尽きて倒れるところを、倉木が後ろから支える。

優しさを感じた新谷宏美は、倉木を死んだ兄の和彦と思い込み、

「和彦、ありがとう…」

と言い残して絶命した。

 

─── 森原官房長官は記者会見を行い、空港の爆弾テロ事件を契機に、治安の強化を徹底することを国民に向かって宣言した。

ビルの屋上で、津城と美希が語り合う。

室井の死によって、今回の陰謀の真実を証明するための証拠を得ることが難しくなってしまったため、事件そのものが闇に葬られることになってしまった。

「未解決事件が1つ増えるだけ。」

津城は美希にそう言うと、その場を去った。

 

─── 倉木と美希は、外で会っていた。

美希の自宅には、必ず無言電話がかかってくるという。

美希は、その電話をかけてくるのは父親ではないかと考えていた。
それが理由で、美希は父と同じ公安警察官になったのだった。

公安に入った美希は、父親の情報を探したが全く見つからない。
情報は上層部によって隠蔽されていた。

その隠蔽を解きたいからこそ、美希は上層部に行きたいと倉木に語った。

そして、美希は、室井から聞かされたことを倉木に語りだした。

「奥さんは、筧に渡したものが爆弾だとは知らなかったそうです。」
「室井は、爆弾だということを奥さんに伝えていなかったのです。」
「あの日、奥さんは筧に渡すはずだった写真を渡さずに逃げました。」
「理由は、倉木警部を想い、裏切りたくなかったからなんじゃないかと。」

そのことを聞いた倉木は、泣きそうになるのを必死にこらえた。

「そうか…」

と一言だけ言って、その場を立ち去った。

つまり、あの爆発事件は事故。

何らかの弾みで、千尋が持っていた起爆装置のスイッチが入ってしまったのだ。

衝動でも、精神不安定から来る自殺願望でもない、ただの事故だった。

千尋は室井の陰謀に加担させられていたが、千尋本人は全貌をほとんど知らず、ただ室井の言いなりで筧に渡していただけだったのだ。

 

─── その夜、倉木は大杉と居酒屋で会っていた。

世の中は、何事もなかったかのように、平穏であった。
居酒屋の風景はいつものとおりで、何も変わってはいない。

あれほどの陰謀が渦巻いていたというのに、世の中は何も知らず、平和そのものなのだ。

世の中の真実を知ってしまった大杉は、もう元の平穏な世界には戻れない。

それでも、大杉は倉木に問う。

「真実を知って、得なことなんてあるのか?」

倉木はこう答えた。

「それが俺にできる、唯一のことだからな。」

今回の件が再び隠蔽されるのは目に見えているが、倉木は、

「そんなことはさせない」

と、しっかりと大杉に言うのだった。

丁度、ふたりは酒が切れたため、追加注文をしようと同時に手を挙げた。

店員に、同時にお代わりを頼む。
だが店員は、倉木の方の注文を受けずに行ってしまった。

それを見た倉木は、思わず笑顔になった。

この一件以来、倉木がようやく見せた笑顔だった。

 

─── 警視庁の捜査資料を保管する倉庫。

そこには、「3億円事件」「グラークα作戦」「公安警察官失踪事件」など、様々な重大事件の捜査資料が大量に保管されていた。

いずれも閲覧禁止のスタンプが押されている。

そこへ、ひとつの捜査資料が運び込まれた。

「サルドニア大統領暗殺未遂事件」

この捜査資料の箱には「2044年まで閲覧禁止」のスタンプが押されていた。

 

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■感想

とにかく、驚くばかりの急展開なドラマでしたね。

重大事件を闇から闇へ葬り去る公安。
「知らぬが仏」を地で行く組織。
大量の重大事件が起きているにも関わらず、真相は隠蔽され、保管庫の奥深くに眠っている。

嫌になった東(長谷川博己)の気持ちもわかるというものですね。

近年の刑事ドラマではあまり見られない、激しいアクションが主体のドラマ。
映像も綺麗。(地デジなので当然ですが…。)

ドラマ中、終始「真剣」かつ「しかめ面」ばかりの倉木が、最後の最後、居酒屋で見せた笑顔を見て、私自身も安心しました。

店員の注文忘れがそんなの面白かったのでしょうか?
平和だな…とでも思ったんでしょうかね?

彼自身の中で、奥さんの死に関するわだかまりが溶けて吹っ切れたものがあったのかもしれませんね。

しかし、まだ謎は残っています。

美希の父親の話です。

その話は、Season2で明かされることになるんでしょうね。

まあ、原作読めば分かることなんですけどね…。

 

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■主な登場人物

倉木尚武(西島秀俊)
公安の警察官。爆発事件で妻を失う。
事件の真相を知るべく、公安の枠を超えて行動する。
何故妻が爆弾を爆発させたのか理由が分からず、苦悩する。
室井の野望を止めようと最後まで食い下がった。

大杉良太(香川照之)
警視庁捜査第一課所属。
ステレオタイプの熱血刑事。
大統領暗殺の陰謀を食い止めるため、別件捜査の名目で空港に駆けつけて爆弾を探す。
鳴宮の協力で爆弾を発見するが、現場に大統領の娘が隠れていたのを見つけて驚愕する。
爆発の直前に気転を利かせて娘を庇うことに成功。
大統領の娘は無事で、大杉本人は軽傷で済んだ。

明星美希(真木よう子)
倉木と同じく公安の警察官。
彼女の父親も警察官だったが行方不明になっており、
その理由を知りたいと常々思っている。
入院中に病院を抜け出し、爆弾を持つ室井を止めるために空港へと向かった。
室井と対峙した際、室井から倉木の妻が爆弾のスイッチを押した理由を聞かされ、驚愕する。
室井に出し抜かれて気絶していたが、駆けつけた大杉らの手によって介抱される。
その後、大統領の娘を爆発から救ってけがをした大杉を介抱した。
空港でのテロ事件後、室井から聞いた話を倉木に語った。

鳴宮啓介(伊藤淳史)
人が良さそうな、交番に勤務する警察官。
実はあらゆる時事情報に精通したプロの情報収集家。
大杉の依頼で空港内の監視システムをハッキングし、不正な電波を発見することで爆弾の位置を特定するのに貢献した。

新谷宏美(池松壮亮)
本当のプロの殺し屋。
倉木達の活躍で、軟禁された室井殺害には失敗するが、大杉の拘束を力で破って逃走した。
その後、空港に現れて室井の命を狙うが、室井との格闘中に下階に落下してモニュメントに串刺しとなり致命傷を負った。
にも関わらず、最後の最後で室井に追いつき、室井を殺害した。
殺害後、倉木に看取られて絶命した。

津城俊輔(小日向文世)
警察庁警務局所属の警視正。
特別監察官の権限を持つ。
大統領暗殺のための爆弾テロを倉木達とともに阻止しようとしていたが、室井の逆襲でテロリストとして拘束されてしまう。
室井の死でテロ容疑が晴れ、拘束から解放された。

室井玄(生瀬勝久)
警察庁公安部部長で警視監。
倉木の上司で、かつてグラークα作戦で指揮をとったことがある。
公安の闇の部分に関わる重要人物のひとりで、森原官房長官の息がかかっている。
軟禁から脱出後、逆襲して津城たちをテロリストの一味として拘束。
自身は大統領の警備責任者となって、大統領暗殺のための爆弾を空港内にセットした。
VIPルームの爆破には成功したが、大杉の気転で大統領暗殺は失敗。
(暗殺に失敗しても陰謀自体に問題はなかったが。)
室井は地下へ逃走したが、倉木に追いつかれて格闘し、辛くも拳銃で倉木を撃破。
そこへ新谷宏美が現れ、頸部をアイスピックで貫かれて絶命した。

 

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■このドラマの放送日・視聴率

Episode #10
最終対決 爆弾に狙われた空港…倉木が辿り着く真実
初回放送日:2014年6月12日
視聴率:13.8%

 


 

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