偽造不可能な証明書付のデジタルデータ
のこと。
NFTは、英語の“ non-fungible token ”のイニシャルを取った略称であり、意味は「非代替性トークン」。
NFTは、改ざんや偽造が非常に困難な「ブロックチェーン技術」の上に成り立っており、ブロックチェーン上にNFTを記録することで、デジタルデータそのものに一意性(オリジナリティや唯一無二の価値)を持たせることが可能となった。
本来、デジタルデータは簡単にコピーや改ざんが可能であり、権利に関しては曖昧な部分も多く、実在する宝石や絵画のような価値は無いに等しい状態だった。
しかし、NFTの登場によって、デジタルデータに唯一無二の価値性を付与できることが可能となったため、デジタルアートなどの作品に、現実に存在する絵画のような価値が付与されることとなった。
例えば、NFTを使えば、一枚のデジタル画像に「これは私の作品であることを保証します」という絶対的な証明が付けられる。
それが超有名な画家の作品であると保証されるならば、そのデジタル画像に絶対的な唯一性と価値が付与され、高値で売れることに繋がるというワケです。
これによって、デジタルで絵や動画等を作成している創作者が、ネット上で「著作権」を堂々と主張できるようになり、「その人自身のオリジナルのデジタルコンテンツ」として権利を主張して販売することが可能となった。
砕けた言い方をすれば、「一般のクリエイターがデジタルアーティストとしてネットで生計を立てられる手段が増えた」ということである。
・NFTの発行
NFTは、ブロックチェーン技術の上に成り立っているので、ブロックチェーンを専門的に扱う業者、要するに暗号資産を扱う業者に発行してもらう必要がある。
2022年現在では、NFTを扱うWEB上のマーケットプレイスやアプリが増えており、それらを介してNFTを発行してもらうことが可能になっている。
そのため、暗号資産の知識がなくとも、NFT専門サイトやアプリを使えば、素人でも簡単にNFTを発行してもらい、自身のデジタルコンテンツの販売や、他者の作品の購入・売却が可能となっている。
ちなみに、NFTを発行してもらうことを「Mint」(ミント)と呼ぶ。
もちろん、NTFの発行には手数料がかかる。
その手数料は通称「ガス代」と呼ばれる。
・NTFを扱うサイト
2022年9月末の時点では、主に以下のサイトがNFTの主流サイトとなっている。
どのサイトも、基本的にはNTF作品の購入と、購入後の売却(二次販売)は可能。
しかし、自身がクリエイターとして作品をNFTで出品する場合は、OpenSeaなど、一部の大手サイトでしか受け付けていない。
なお、NFTコンテンツを売買した際は、サイト内での手数料が必要になる場合もある。
◆日本国内のNTFマーケットプレイス
など。他にもいくつかある。
◆海外のNTFマーケットプレイス
- OpenSea
(2022年時点で世界最大級のNFTサイト。自身がクリエイターとして出品可能。) - Rarible
- Makersplace
- GhostMarket
(海外サイトですが、日本語のサイトもあります。) - SuperRare
- Valuables
(ツイートにNTFを付けて販売できるサイト。)
など。他にも多数ある。
・NFTを使った犯罪・詐欺
NTFは素晴らしいデジタル証明技術だが、別の部分に抜け穴があり、犯罪や詐欺に使われることもある。
◆なりすまし
例えば、路上アーティストとして有名なバンクシーの作品を全く別の赤の他人が「バンクシー」に成りすましてNFTで作品を販売したことがある。
(発覚後、売却されて得た収益は買い手に全額返還されている。)
似たようなケースで、無名のクリエイターの作品を、赤の他人が「自分の作品」としてNFTを発行し、利益を得ていたなどがある。
クリエイターが無名の場合、偽物がネット上でNFTを使って利益を得ていたとしても、発覚しないか、発覚するまでに非常に時間がかかってしまうことがある。
◆NFTの偽装
自分のNFTを、有名人のNFTに偽装してコンテンツを販売していたという衝撃の事件があった。
Sleepminting という手口である。
他人のNFTを改ざんすることは不可能だが、技術的な盲点を突くことで、自分のNTFを他人のNTFに偽装してしまうというもの。
一般のNTF購入者には偽装かどうかを見抜く方法は無いので、非常に悪質な事件である。
事件についての詳細はこちら
(記事の下の方のに書かれています。)
関連項目