ゆっくり茶番劇とは何なのかわかりやすく解説

ゆっくり茶番劇をわかりやすく言うと、

ゆっくりキャラを使った
二次創作茶番劇作品

のこと。

ゆっくりキャラ同士で対話する形で、物語や状況が進行していく内容の動画作品が多い。

「ゆっくり茶番劇」は、後述の「ゆっくり茶番劇商標登録問題」で社会的に大きな波紋を呼び、問題が発覚した2022年5月15日から数日間にわたって、「ゆっくり茶番劇」のキーワードが大手検索エンジンの上位にランキングしたことがあった。

なお本件は、騒動の発端となった張本人の柚葉が、2022年5月23日付で商標登録の抹消手続きを行ったため、終息を迎えた。

・ゆっくりキャラとは?

ゆっくりキャラとは、「東方project」を原作とする二次創作のキャラクター群のこと。

具体的には、以下の流れで「ゆっくりキャラ」は誕生した。


原作「東方project」(原作者:ZUN氏)

Dプ竹崎氏による東方projectキャラAA(アスキーアート)
「ゆっくりしていってね!!!」(通称「ゆっくり」)の作成
(二次創作)
※文字や記号を使って絵を表現する描画技法のこと。

ゆっくりのAA(下のは画像)



Dプ竹崎氏のAAを元に、イラストレーターのまそ氏
ゆっくりのイラストを手掛け、自身のHPで公開。
(更なる二次創作)

左:ゆっくり魔理沙 右:ゆっくり霊夢


・ゆっくりキャラの権利関係

そもそも、ゆっくりキャラを使ったゆっくり系作品は、東方Projectの二次創作である為、大元の権利は原作者であるZUN氏東方Project関係者にある。

一方で、「ゆっくり」のAAは、巨大掲示板などで多用され、多くの人たちに親しまれた。
また、ゆっくりのイラストも同様に、多くの絵師たちによって描かれ、ネット上で公開されていた。

しかしながら、それらの誕生経緯から、著作権などの権利関係が曖昧な状態が続き、イラストレーターやイラストを使用する人にとっては曖昧なグレーゾーンまたはブラックボックス状態であった。

そして、2020年10月8日、アンノウンX氏により製作された「東方Project」の公認二次創作ゲーム「東方ダンマクカグラ」の公式動画内において、アンノウンX氏Dプ竹崎氏まそ氏、東方原作者であるZUN氏の3人に著作権の確認をとった結果、全員からの許可が下り、二次創作物が公式から正式に公認された

これによって、東方projectの二次創作物発表の条件」を遵守すれば、「誰でもゆっくりキャラを使うことが可能となった。

・ゆっくり茶番劇商標登録問題

概要

事の発端は、ゆっくり系動画投稿者の柚葉が「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得したとYouTube及びTwitterで公表したことによる。

当時のツイートはこちら(画像)↓

ツイートの実URLはこちら

ゆっくりキャラを使った創作は、ルールさえ守れば誰でも可能という自由が認められているが、この商標登録によって「ゆっくり茶番劇」という表記を自由に使えなくなることになった。

あくまでも「ゆっくり茶番劇」の文字商標であるため、「ゆっくり解説」「ゆっくり」などと言った別の表記は自由に行える。

しかし、「ゆっくり茶番劇」という表記は、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画サイトやSNSなどで、ゆっくりのファン及びクリエイターたちによって広く使われている言葉であり、今回の商標登録によって使用の自由を侵害される人たちが大勢いたため、大きな騒動となった。

また、商標登録を行った柚葉は以下のことがあったため悪質とみなされた。

  • 柚葉は原作者でもない第三者なのに、
    原作者および関係者無断で商標登録を行った。
  • 商標登録の異議申し立ての期限の2ヶ月以上」が経過してからネットで告知した。
    (登録公報発行日が令和4年(2022年)3月4日、告知が2022年5月15日。)
  • 年間10万円(税別)という高額な使用料を提示した。
    (明らかな金銭目当て。)
  • 騒動になっているにも関わらず“煽り”ツイートを度々行った。
    (炎上商法。)

なお、本件について、立憲民主党の栗下善行議員(当時)が特許庁に確認をとっており、庁からの返答の内容をツイッターで開示している。

この騒動によって、商標登録を受け付けている特許庁も事態を重く見た模様。

特許庁も柚葉によるゆっくり茶番劇の商標登録を「悪意がある登録」と認識しており、権利者であるZUN氏から異議申し立てがあれば、取り消しの方向で再審査する可能性もあるとコメントしている。

特許庁では、このような問題のある商標登録申請を「商標ゴロ」と呼んで警戒している。


・原作者及び関係者の対応

東方project」や「ゆっくり」のプラットフォームとも言える動画サイト「ニコニコ動画」の運営会社ドワンゴは、2022年5月23日に記者会見を行い、「クリエイターが安心して創作を続けられる環境を作るため」として、以下のような内容を発表した。

  • 「ゆっくり茶番劇」商標取得者に対する商標権の放棄交渉を行う。
  • 放棄に応じない場合は無効審判請求を行う。
  • 独占防止のための「ゆっくり」関連用語の商標出願を行う。
    (ドワンゴが権利行使をするための出願ではない。)
  • 使用料を請求された人への相談窓口の設置。

これらの内容は、東方projectの原作者であるZUN氏からも了承を得ているとのこと。

本来は、無効審判において原告側の訴えが認められる確率は約25%程度しかないのが現状であるが、今回の件では商標登録を担当した弁理士も特許庁も、登録手続に間違いがあったことを認めているため、一般の無効審判よりは勝訴できる可能性は高いかもしれない。


・ライバーコミュニティCoyu.liveの対応

柚葉が所属していたライバーコミュニティ「Coyu.live」は、以下の対応をした。
(※バーチャルライブ配信を行うYouTuber(VTuber)のための集いの場。)

  • 柚葉が発表した2022年5月15日付で警告処分。
  • 同年5月17日に、使用料の無償化、煽る様な内容のツイートの削除、今後のツイート内容の見直し、騒動の謝罪を柚葉に要請。
  • 同年5月20日、誠意ある対応がなされなかったとして柚葉氏に保有する一切の商標権放棄の提示及び無期限の会員資格停止とする処分を行った。
  • 同年5月23日、柚葉から「『商標抹消の手続きを行った』との連絡を受けた」とマスコミに発表。
  • 同年5月24日、柚葉の商標登録抹消の手続きの確認を行い、手続きが虚偽ではない旨をツイッターで報告
    これをもって、弊会の対応は終了するとした。

・本件 商標登録問題の顛末

2022年5月24日に、柚葉が商標登録抹消の手続きを同年5月23日付で行ったことをツイッターで報告
添付された申請書の画像に虚偽が無いことや、ライバーコミュニティ「Coyu.live」側の弁理士と事務局長が特許庁へ確認を取り、申請が正しく行われていたことを確認。

これによって、本件は終息の方向へ向かった。

・柚葉の行動(Twitterからの抜粋)

  • 2022年5月15日、「ゆっくり茶番劇」の文字商標登録を発表
  • 同年5月17日、騒動を受けて「使用料は不要」「但し、権利は当社のものとして存続いたします。」とツイート
  • 同年5月18日、「ゆっくり茶番劇」は商標取得に問題が無いと主張
  • 同年5月24日、「ゆっくり茶番劇」の商標登録抹消申請を同年5月23日づけで行ったとツイート
    申請の証拠の画像を掲載した。申請は本物で、画像に虚偽な点が無いことはCoyu.live側の弁理士によって確認済み。
  • 同年5月24日20時50分、「このツイートをもちまして最後とさせていただきます。」と告知
    以後、この柚葉のTwitterアカウントは更新されていない…と思われたが、同年6月15日の深夜、YouTuber柚葉柚葉のツイッター公式アカウントの固定ツイートがこっそりと更新され、復活していたことが判明している。

 


関連項目

なし


 

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