写真うつりが良い
または
写真映えする
という意味の言葉。
フォト=Photo(写真)+ジェニック=genic(~に適した) という別々の言葉が合体して出来た造語である。
この言葉は、SNSのインスタグラムが流行りだした2010年代後半から、「インスタ映え」とほとんど同じ意味で多くの人に使われるようになった。
日本でのフォトジェニックの対象は多岐にわたるが、大体は美しい風景や、街並み、観光地、その他有名なスポットなど、場所に関する写真に対して使われることが多い。
それらの場所に、人やモノが絶妙な位置や角度で映り込むことでもフォトジェニックな写真となる。
一方で、フォトジェニックという言葉は、海外(特に英語圏)では日本とは少し違ったニュアンスで使われる。
「スタイルが良い」「整った顔」「美しく鍛えられた筋肉質なボディ」などという意味合いで、「被写体の写りが良い」ということで人間に対して使われる表現である。
(性別は問わない。)
She is Photogenic!
などといった表現で使われ、自然の風景やデジタルな効果などには使われない。
・実はフォトジェニックは歴史が古い言葉
フォトジェニックという言葉の歴史は意外と古く、19世紀中ごろには、既にphotogenicという言葉があった。
以下引用
原義はphoto- + -genic(〜によって作られた)すなわち「光によって生じた」の意味で、19世紀中頃に”photogenic drawing”(「写真」を意味する初期の表現)として用いられたのが最初。写真映りがよい、の意味が加わったのは1928年。
なお英語としては、ほかにphotogenic cell(発光細胞)など「光を生じる」の意味もある。
また、日本の劇作家の岸田国士(くにお)氏の戯曲「古い玩具」(1924)にも、フォトジェニックのフレーズが登場している。
(つづりがヂェになっている)
プロロォグ「僕の背中は、よほどフォトヂェニックと見えるなあ」
引用元:コトバンク フォトジェニック
岸田国士氏は、東京帝大仏文科で学び、フランスの演劇の研究のために渡仏し、パリで前述の「古い玩具」を書き上げたことから、西洋の語学に長けていて、フォトジェニックの言葉を現地で知ったと思われる。
関連項目