千日たっても勝負がつかない状態
のこと。
主に、チェスや将棋などの、
対戦型のゲームで稀に発生する、
いわゆる”膠着(こうちゃく)状態”を表す。
千日手になると、同じ手が何回も繰り返し続くので、対戦者同士の指し手が無限ループに陥ってしまい、勝負がつかない。
なので、将棋においては、日本将棋連盟の基準では、4回同じ指し手になった場合は無勝負とし、先手と後手を入れ替えて最初から勝負をやり直すことになる。
かつて将棋の公式戦で、連続28連勝の記録を叩き出した、プロ棋士の藤井聡太四段(当時)が、2017年6月2日行われた公式戦で千日手となったため、ニュース報道などによって千日手という言葉が世間に広まった。
そのため、当時の検索キーワードランキングで、“千日手”が急上昇した経緯がある。
一方、チェスの場合は、同じ指し手が3回で千日手となる。
具体的には、3回同じ指し手になるか、次に駒を指す人が3回目の同じ指し手になることを相手に申告することで、引き分け勝負となる。
ちなみに、チェスの千日手は、
パーペチュアル(perpetual)といい、永久や永続という意味がある。
おわかりだと思うが、
千日とはあくまでも比喩表現であり、将棋でもチェスでも実際に勝負が千日続くということは無い。
【余談】千日戦争(サウザンドウォーズ)
千日手という言葉から生まれたのが、千日戦争(サウザンドウォーズ)という造語。
漫画家の車田正美氏原作の漫画・アニメ作品「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」に登場した言葉で、
- 千日経っても決着がつかない膠着状態
を表す。
この言葉が初めて登場したのは、
獅子座(レオ)のアイオリアと乙女座(バルゴ)のシャカ、いわゆる黄金(ゴールド)聖闘士同士の戦いの時。
両者とも聖闘士としての実力が極めて高く、お互いが光速の動きを持っているため、隙を見せられずに動けない状態が続いた。
それを見た教皇(ニセ教皇)は、
「これぞ正に千日戦争(サウザンドウォーズ)の形!千日経っても決着がつかない!!」
と語った。
ちなみに、サウザンドウォーズでも、本当に千日間膠着したことはない。
大体は横槍(邪魔)が入って中断するか、互いに奥義を繰り出して相打ちで双方が消滅するかのどちらかである。