紅麹(べにこうじ)とは?効果や危険性などをわかりやすく解説

紅麹(べにこうじ)とは、

紅麹菌(ベニコウジカビ)と呼ばれるカビ
米などの穀類に繁殖させて作られる発酵食品または色素

のことを言う。


※写真はイメージです

鮮やかな赤色色素と、健康に役立つ様々な成分が含まれているということで、中国、台湾などアジアを中心とした国々で古くから使われ、世界各国にも普及している。

紅麹自体は、それ単体で使用されることは少なく、食品の添加物やサプリメント等の成分のひとつとして使用されることがほとんどであったため、知名度は低かった。

しかし、2024年3月下旬ごろ、紅麹の成分が入ったサプリメントを常用していた男性が死亡したというニュースが各メディアで報道された。
(死者数は現在合計5人)

報道を受け、多くの人たちが紅麹を検索エンジンで調べることとなり、大手検索エンジンのキーワードランキングで「紅麹」が急上昇したことがあった。

これによって、マイナーであった紅麹の名前が世間に広く伝わった。

2024年3月29日、厚生労働省は、該当のサプリメントから青カビ由来の化合物「プベルル酸」が検出されたことを明らかにした。(後述)

 

■紅麹の赤色色素とは?

紅麹の赤色色素は、紅麹色素またはモナスカス色素と呼ばれ、主に以下の成分によって構成されている。

  • モナスシン(黄色系色素)
  • アンカフラビン(黄色系色素)
  • モナスコルブリン(オレンジ系色素)
  • モナスコルブラミン(赤系の色素)

紅麹は、複数の色素成分によって鮮やかな赤色を出している。

上記の成分は、発酵の過程で発生した天然の色素であり、かまぼこなどの練り製品に使用されている。

また、紅麹色素には、抗酸化作用や、抗炎症作用、抗菌作用があることが判明しており、更なる研究が進んでいる。

ちなみに、紅麹にはコレステロール低下作用(後述)があるが、色素として着色に用いられる場合は、コレステロールの低下作用は期待できない。

出典:小林製薬「紅麹の成分と作用」

 

目次へ戻る

■紅麹に含まれる成分と効果・効能

◆主な成分

・モナコリンK
1979年、日本の農芸化学者の遠藤章氏によって効能が発見された成分。
コレステロール値を下げる効果があり、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。
モナコリンKは、スタチン系薬剤と同様の作用を持ち、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす働きがある。

・GABA(γ-アミノ酪酸 gamma-aminobutyric acid の略称)
主に脳の神経伝達物質として働く抑制性の成分で、リラックス効果やストレス緩和効果がある。


◆効果・効能など

まとめると、紅麹には以下の効果・効能がある。

  • コレステロール値の低下
  • 動脈硬化の予防
  • 高血圧の予防
  • 血液サラサラ効果
  • リラックス効果
  • ストレス緩和効果

以上のことから、健康に良い発酵食品や色素としてだけでなく、サプリメントや医薬品としても利用されている。

 

目次へ戻る

■紅麹の危険性

紅麹の色素そのものに関しては、危険性は無い

しかし、紅麹の原料であるベニコウジカビ(学名:Monascus purpureus)の中には、M. ankaという近縁種があり、このM. ankaは「シトリニン」と呼ばれるカビ毒成分を生成する。

シトリニンは、動物の腎臓として作用する。

そのため、前述の2024年3月の紅麹成分の入ったサプリメント常用者が腎疾患が悪化して死亡した件について、シトリニンの含有が疑われたが、後の検査によって否定されている。
(※小林製薬と奈良先端科学技術大学院大学との共同ゲノム解析。結果、該当のサプリメントには、M. ankaの遺伝子が含まれていなかった。)

そもそも、メーカー側ではシトリニンを生成する菌株を使っていないという。

しかしながら、厚生労働省の発表によると、該当のサプリメントを常用していたユーザーの中には、腎臓の病気などを発症して入院した患者が数十人いることが判明している。
(※3/26の時点で100人以上確認された。)

厚生労働省の発表によると、死者数は2人となっていたが、3/28にメーカー側が新たに2名が死亡したことを発表。
翌日にはもう1名死亡者が出たことを発表。
この数値が正しければ、合計で5名の死者が出ていることになる。

メーカー側は調査の結果想定していない成分を含む可能性がある」とし、該当サプリメントの自主回収に踏み切った。

ちなみに、メーカー側が「想定していない成分を含む可能性がある」としたサプリメントの種類は、以下の18種類であるとホームページで発表した。

  • J3017
  • X3037 X3027 X3017
  • H3057 H3047 H3037 H3027 H3017
  • F3037 F3027
  • E3037 E3027
  • D3079
  • X304
  • H306
  • G301
  • E301

◆考えられる可能性

メーカー側は、前述の死亡例や入院例について考えられる可能性を4つ挙げている。

  1. 米紅麹ポリケチドの大量摂取による腎臓への影響
  2. 紅麹菌から生成されるカビ毒「シトリニン」の影響
  3. アレルギー
  4. 遺物または不純物の混入

前述のとおり、2.に関しては既に否定されている。

残りの1.3.4.に関して、東京大学名誉教授(当時)の唐木英明氏の見解は以下のとおり。

1.に関しては、「極めて大量に摂取しない限り人体への悪影響はない」としている。(可能性は低い)

3.に関しては、「今回は特定の製造番号から被害が出ている。アレルギーなら、これまでに多数の症例報告があったはず。」とし、可能性は低いとしている。

4.に関しては、「違うカビが入り、有毒物質を作った可能性はある。また、外部から何かが混入した可能性もある。」とし、この線が最も可能性が高いとしている。

メーカー側は、「製造工場の入室管理は徹底している」と発表している。

今回の製品が作られた工場では、長年、何事もなかった。
にも関わらず、突然の問題発生。

「特定のロットだけで有害物質が混入してしまった」
「想定外の事故」
「人為的なミス」

などが考えられるが、それらの経緯の精細な検証が必要である。


◆プベルル酸の検出

2024年3月29日、厚生労働省は、該当のサプリメントから青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が検出されたことを明らかにした。

つまり、前述の東京大学名誉教授(当時)の唐木英明氏の見解のひとつ「遺物または不純物の混入」が的中したことになる。

厚生労働省によると、プベルル酸は抗生物質としての特性もあり、毒性は非常に高いとしている。

腎臓への影響は現時点では明らかになっておらず、また、健康被害の原因がプベルル酸であるかは未だ不明である。


◆他社メーカーへの影響

小林製薬は、紅麹サプリメントだけでなく、原材料としての紅麹も様々なメーカーへ販売している。
そのため、今回の騒動を受け、類似の紅麹サプリメントを発売している他の大手メーカー(DHC、ファンケル)は、「小林製薬株式会社の紅麹原料は一切使用していない」などという発表を行い、自社製品の安全性をアピールするという事態となった。

また、大手酒造メーカー「宝酒造」、食品メーカー「紀文」、名古屋の菓子店「豆福」など、小林製薬の紅麹を使っているメーカーは、該当の商品の自主回収を行った。

小林製薬の紅麹を使っているメーカーは52社にも及び、各社が対応に追われることとなった。

 

目次へ戻る

■海外での紅麹への対応

◆欧州での事例

実は、紅麹の成分が入ったサプリメントに関して、2014年頃の欧州で健康被害が確認されていた。

フランスでは、紅麹由来の成分が配合されたサプリメントの摂取と関連が疑われる「筋肉や肝臓障害の事例」が複数件報告されており、フランス政府は妊婦・子供・高齢者(70歳以上)に対して、摂取する際は医師に相談したりするように注意喚起している。

EU(欧州連合)では、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定。

スイスでは、2014年に紅麹を成分に含む薬品・食品の売買は違法であると注意喚起した。
人体内に入るモノへの紅麹の使用自体を禁ずることで、被害の発生そのものを封じる方針をとった模様。

出典:産経新聞「欧州でも健康被害報告、小林製薬同様「紅麹」由来サプリで」

出典:食品安全委員会「紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)」


◆台湾での事例

台湾では、日本から輸入されている製品の中に、小林製薬の紅麹を使った製品があったため、2024年3月25日、台湾の食品薬物管理署は、回収作業を行うと共に小林製薬の紅麹関連の商品や原料の輸入に関わる手続きを停止したと発表。

また、対応策として、台湾の食品業者に対し、関連商品や原料を使用した商品を販売している場合には、商品を撤去・自主回収した上で、関連法案に基づき通知するよう求めた。

出典:Yahoo!JAPANニュース「海外でも影響?台湾でも小林製薬「紅麹」関連品を回収」

 


■関連項目

プベルル酸

コレステヘルプ


 

目次へ戻る

TOPへ戻る

索引へ行へ戻る

サイトトップへ戻る