このページには、ドラマ「BOSS 2ndシーズン 3話」のあらすじが書かれています。
ネタバレがありますので、
まだ本作を観たことが無い人は読まない方がいいと思います。
それでも読みたい方は、
ネタバレがあることを納得の上で、
全て自己責任でお読みください。
■BOSS 2ndシーズン 3話あらすじ
~~CASE03 悲しき暴力の連鎖~~
参事官・野立信次郎(竹野内豊)が、
文英館の雑誌に取り上げられることになった。
カリスマ編集者と噂の高い佐神公一(山本耕史)らが対策室に来て、撮影を始める。
そんな中、佐神が役員を務める出版社の社長・蒼井が殺されたという連絡が入る。
捜査一課は“死の腕”を名乗る連続殺人犯の犯行とにらみ、
前科のある野口武生容疑者を逮捕した。
しかし、様々な状況証拠や野口の自供から、
大澤絵里子(天海祐希)は4件目は左利きの別人による犯行だと判断。
対策室は4人目の被害者である出版社社長の周辺を捜査する。
やがて、放漫経営を行う蒼井の死で得をする人物として、
実は出版社の役員でもある佐神とそのライバル・山地智子(戸田菜穂)が浮上する。
佐神は経営陣と折り合いが悪く、
山地は先代の社長の愛人とも噂され、悪い噂が絶えない。
さらに、同じ出版社の編集長で左利きの小堀(野間口徹)が捜査線上に浮上する。
小堀は自他共に認める犯罪オタクで評判は悪く、仕事はせず、私生活もルーズ。
広告会社との癒着や横領の噂が絶えないという。
絵里子と片桐琢磨(玉山鉄二)は、念のために小堀に事件当日のアリバイを訊くと、
落ち着かない様子でアリバイがあることを語り、取材と称して足早に去ってしまう。
聞き込みのかたわら、屋上で佐神と出会う絵里子。
お互いの仕事について語りあう二人。
刑事と本を作る編集者との共通点は、登場人物のストーリー。
「どんな事件にもストーリーがある。」
絵里子の言葉に感心し、仕事に戻る佐神だった。
捜査が進むにつれて、小堀のアリバイが無い事が判明する。
また、小堀と佐神は犬猿の仲で、仕事ができない小堀は佐神に飛ばされた経緯もある。
対策室は、小堀に任意同行をかけることにした。
片桐と岩井善治(ケンドーコバヤシ)が小堀にゆさぶりをかけるが、
落ち着かない様子で否定するばかり。疑いは晴れないが、証拠もまだない。
小堀を帰宅させるしかない。
花形一平(溝端純平)と山村啓輔(温水洋一)が小堀の広告費横領のために
ペーパーカンパニーを用意し、その口座に金を振り込ませていた証拠を持ってくる。
また、田所幸子(長谷川京子)の調べで、蒼井社長の殺害現場に落ちていた髪の毛のDNAと
小堀の紙コップから検出された小堀の唾液のDNAと一致。
対策室は、小堀の逮捕に踏み切った。
小堀の自宅に踏み込むと、小堀は風呂場で手首を切り自殺していた。
しかし、警察が被疑者を追い詰めて自殺に追い込んだことにもなり、
マスコミからの糾弾を恐れた丹波刑事部長は絵里子をどなりつける。
しかし、野立が庇い、その場は収まるのだった。
様々な検証結果において、小堀は自殺と断定されかけていたが、
小堀はアルコールには強くなく、見つかった酒ビンの数と飲んだ量、
血中のアルコール濃度から考えて、酩酊状態だったと考えられる。
そんな状態で、自分で手首を切れるわけがない。
これは他殺だと絵里子は判断する。
佐神にアリバイを訊く絵里子だが、アリバイを証明できる人物がいない。
しかし、佐神に怪しいそぶりなど、微塵も無い。
妻子をあっさり切り捨て、別れたこともさらりと語り、仕事優先にして生きている。
──彼の書いた記事を読みながら、絵里子は彼をいぶかしむ。
片桐から、佐神の過去を聞かされる絵里子。
片桐は決して恵まれた人生を送って来たわけではなく、
子供の頃に虐待にあって生きてきたそうだ。
さらに、佐神の元妻に話を訊くと、佐神は家族というものが居心地が悪いみたいで、
わざと忙しくしている感じだったという。
それが原因で離婚になったらしい。
一方で、山地に事情聴取する片桐と絵里子。
小堀が死んだ日のアリバイは映画を観に行っていたという。
映画の本をいくつか受け持っているためだ。
また、小堀の告別式には香典を出したので出ないという。
いつか問題を起こすと思っていたし…という理由つきで…。
現時点の物証からでは事情聴取が取れないとふんだ対策室は、
小堀の部屋にあったものと、会社の机にあったものすべてを調べ、
その中にあった絵の中に、一枚だけ佐神のものと思われる指紋がついているものがあった。
そのことを佐神に訊く絵里子だったが、
編集時の現行のチェックでついたかもしれないと
あっさり覆される。
負けじと絵里子は、
「会社の社長になるために、小堀の横領の件をちらつかせて社長を殺させ、後で小堀を始末する。」
というストーリーを語ったが、
佐神は、実は別の出版社の社長に就任することが決まっており、
この会社なんてどうでもいいことを絵里子に告げる。
その頃、黒原理香(成海璃子)の技術力で、
削除された小堀の携帯メールの復元に成功。
そのメールによると、小堀が殺された夜、山地は小堀と会っていたということが判明。
電話でそれを聴いた絵里子は、任意同行で山地を引っ張ることにした。
山地を取調べ、家宅捜索するうちに、
殺された社長と深い関係にあったことが判明する。
また、社長から貢いでもらっていたそうだ。
状況証拠だけなら山地は非常に怪しいが、決定的な証拠が無い。
だから、任意同行しかできない。
──と、喫茶店で佐神に語る絵里子。
その外を山地が青いバッグを持って歩いていく。
佐神は山地を見つめる。
そして、山地が持っていた青いバッグから小堀の血のついたタオルが発見される。
青いバッグを持って、絵里子は佐神を訪れる。
絵里子は佐神を逮捕するためだ。
怪訝な顔をして絵里子に訊く佐神。
青いバッグは、実は絵里子のもので、
山地は青いバッグを一つも持っていないのだ。
そして、喫茶店で見かけた山地が持ってる青いバッグを山地のだと思うのは佐神のみ。
よって、後日そのバッグに小堀を殺した証拠が入っていたとなれば、
犯人は自動的に佐神となる。
そう、絵里子は山地に協力をあおぎ、一芝居うったのだ。
佐神の動機(ストーリー)はこうだ。
才能溢れ、引く手数多のはずの佐神だったが、文英館の売れない雑誌・少年時代が
亡き父との思い出の雑誌だったため、廃刊にしないために文英館をやめられずにいた。
別の出版社の社長が内定した佐神は、いずれは文英館も吸収合併し
少年時代を自分の手中にできると予想していた。
しかし、それよりも先に、蒼井社長が資金欲しさに少年時代を他社(ゲームメーカー)に
売ろうとしていたことがわかり、小堀を利用して蒼井社長を殺させた。
そして、小堀を始末し、その罪を、少年時代を廃刊にしようとしていた山地に
なすりつけようとしたのだ。
父からDVを受けて育った佐神が、何故父との思い出の雑誌に執着するのか?
それは、優しかった頃の父を覚えているから。
寝る前に少年時代を読んで聞かせてくれた優しい父の思い出があるから。
佐神が離婚したのも、将来のDVを危惧してのこと。
DVを受けて育った大人は、自分の子供にDVする傾向にあることを知っていたため、
自分の子を溺愛していた佐神は、わざとそっけない振りをし、離婚になるように仕向けたのだ。
しかし、皮肉なことに、その愛する子が描いた絵が、
佐神と事件を結びつけるヒントになってしまった。
実は、小堀は佐神の元妻と同級生で、
同じ職場にいる佐神に子供の手紙などを届けるように元妻が小堀に頼んでいた。
しかし、佐神がそれらの手紙を読まずに捨ててしまうことを知っていた小堀は、
手紙などを自ら処分していたが、その子が描いた絵だけはどうしても捨てられず、
保管しておいたものなのだ。
そう、佐神にそっくりな指紋がついていた、あの絵だ。
あの絵に描かれていたのは、実は佐神自身。
養育費を渡しに、一度だけ春に訪れた際に、
子供が佐神のことを覚えていて絵を描いたのだ。
絵を見て涙を流す佐神。
一方、事件の真実を知った山地は、
“人の想い”で出来た少年時代を廃刊にしないことにした。
余談だが、佐神が逮捕されたことにより、野立の写真が雑誌に載ることはなくなった。
■感想と考察
殺人の手口だけを考えると、非常に狡猾で残忍で凶悪に思えますが、
動機を聞くと、なんだか解らなくもないといった感じでしょうか。
意外な人物が、意外な方法で真犯人としておびき出される…。
ドラマ「BOSS」の真骨頂ですよね。
その傾向は、2ndシーズンになって、より顕著になりました。
■主な登場人物
・大澤絵里子(天海祐希)
主人公。通称ボス(BOSS)。
警視庁捜査第一課特別犯罪対策室室長。
アメリカでの研修で学んだ交渉術やプロファイリングに精通し、
そこで培ってきた能力と女性ならではの観察眼を駆使した捜査を得意とする。
口癖かつ決め台詞は「事件だから」。ジョージ・クルーニーが好き。
イケメンに弱いが、それでも犯人相手にはキッチリ仕事をこなす。
・野立信次郎(竹野内豊)
特別犯罪対策室設立の責任者。
最年少昇進記録を更新する程の有能な警察官僚で、
上層部から一目置かれる存在。
女好きでノリが軽く自分本位な性格。
絵里子をおちょくっているが、本当は彼女の事を気にかけている。
ニックネームで人を呼ぶ。合コン好き。
・佐神公一(山本耕史)
出版社文英館の役員でカリスマ編集者。
完全犯罪に近い巧妙なトリックの殺人事件を引き起こしたが、
その動機はとても悲しい過去にあった。
~~2ndシーズンからの新登場人物~~
・黒原健蔵(西田敏行)
元国家公安委員長。
「黒い月」からの狙撃予告を受けたのを知りながら、
警察のトップ逃げたら国民に合わせる顔が無いと、
避難を勧める絵里子の進言を聞き入れず、
イベントの出席中に被弾した。
(この事件が原因で、課特別犯罪対策室は解散。)
その後、国家公安委員長の引退を余儀なくされ、
2年経った今でもその影響で入院生活を送っている。
・黒原理香(成海璃子)
黒原の娘。MITで応用数学を学んでおり、
アメリカのハッキングコンテストで優勝するほど、
パソコンに関して高度な知識を有している。
「保護」の名目で、特別犯罪対策室の預かりとなった。
・森岡博(大森南朋)
代議士秘書。かつては警視庁捜査一課3係の刑事で、絵里子と野立とは同期だった。
・田所幸子(長谷川京子)
科警研から異動してきた木元の後任の対策室メンバー。
使い物にならないという理由で所長(警視監)に頼まれた野立の口利きで対策室へ異動した。
性格は卑屈で、誰にでも慇懃な態度で接する。
・木元真実(戸田恵梨香)
コンピューター技術と数学の知識に長けた女性警察官。
2年前の事件で新島へ転属になっていた。
事件に巻き込まれて重傷を負っていた。
■このドラマの放送日・視聴率
CASE03 悲しき暴力の連鎖
初回放送日:2011年5月5日
視聴率:14.7%