アンコンシャス・バイアス(英語:unconscious bias)をわかりやすく言うと、
無意識の偏見・思い込み
・先入観・決めつけ
のこと。
カタカナの表記上では「・」を省略し、“アンコンシャスバイアス”と連続して書かれることもある。
わかりやすい事例としては、
「女の子はスカート」
「男の子だから転んでも泣くな」
「リーダーは年上じゃないといけない」
「デート代は男がおごる」
などがある。
これらのアンコンシャス・バイアスは、家庭の中での成長過程や学校、就職先などで集団的な社会生活をおくる中で、人の心に少しずつ刷り込まれていくため、「それが当たり前」であるかのように、無意識に偏見や先入観に基づいた言動を行ってしまう。
また、それらの言動が次の世代に影響を与え、“無意識に引き継がれる”ため、アンコンシャス・バイアスはなかなか無くならず、派生して別のアンコンシャス・バイアスを生む土壌にもなっているので性質が悪い。
特に、ダイバーシティ(多様性)が社会的に浸透してくるようになってから、アンコンシャス・バイアスが改めて問題視されるようになった。
しかしながら、偏見であるとわかっていても、概念の急な変化を畏れたり否定したりする人も多々いるため、なかなかアンコンシャス・バイアスは無くならないのが現状である。
・アンコンシャス・バイアスの事例
アンコンシャス・バイアスの主な事例として、以下のものが挙げられる。
◆社会一般
性別に対する固定観念や偏見が主体であることが多い。
- 「男が外で稼いで女は家で家事」
(既に廃れつつある昭和の偏見) - 「夫が主夫やるとヒモ扱い」
(家でネットで稼ぎながら家事をやる夫もいる。)
(単に妻よりも家事が上手いから主夫をやっている場合もある。) - 「結婚してないと半人前扱い」
(結婚してなくても働いて社会貢献できている人は大勢いる。) - 「デート代は男がおごる」
(これはケースバイケースだが、根深い先入観である。)
◆家庭内・学校内など
- 「男の子だから(ケガしても)泣くな」
(男の子でも痛かったら泣きます。) - 「長男だからしっかりしろ」
(長男でも辛いときは辛いし、くじける時もある。) - 「女の子だから大人しく」
(女の子でも活発な子はいるし、個性である。) - 「女の子はスカート」
(古い時代の「女性らしさ」を押しつけている。ズボンはダメなのか?) - 「男は短髪」
(長髪でも問題ないと思う。まあ、行動時の邪魔になる可能性があるが。)
◆学歴
学歴特有の偏見や思い込み。
- 「高卒以下は肉体労働」
(頭脳労働は困難と思われている。) - 「大卒だから、これくらい出来るだろう」
(大卒を過大評価している。出来ないことは出来ない。) - 「東大出は何でも知っている」
(東大出身者でも知らないものは知らないし、分からないものは分からない。) - 「この学部出てるから、この部署がいいだろう」
(出身学部で配属部署を確定してしまう。向いているかどうかで決めるべき。)
◆職場など
年齢や性別に基づいた様々な偏見がある。
- 「有給休暇をとってはいけない(風潮)」
(有給休暇は権利だが、「雰囲気的に申請・取得出来ない。または取得しにくい。」という状況がしばしばある。) - 「女性だからお茶淹れて」
(お茶くらい、自分で淹れましょう。) - 「掃除は女性の役目」
(気づいた人が仕事の合間にやればいい。または清掃業者に頼むのがベスト。) - 「男だから力仕事させられる」
(非力な男もいるし、力仕事が出来る女性もいる。) - 「結婚してないヤツはダメ」
(結婚してないだけで昇進の候補から外される。) - 「結婚した女性は仕事を辞めるべき」
(意外と残っている昭和の風潮。) - 「リーダーは年上じゃないといけない(風潮)」
(年上かどうかより、ふさわしいかどうかで決めるべき。) - 「会社の慰安旅行に参加しないといけない(風潮)」
(仕事以外の事項を半ば強制される雰囲気がある。) - 「仕事後の飲み会や食事会などに参加しないと「職場に不満がある」と思われる」
(単にプライベートの時間を大事にしているだけかもしれない。) - 「お気に入りの部下のミスは大目に見る」
(ミスはミスなので、しっかりと指導する必要がある。)
関連項目