国民が政治的権力を持ち
政治的な意思決定を行う政治体制、政治思想
を意味する。
日本においては、民主主義は、民主体制または民主制とも呼ばれる。
デモクラシーとも言う。
カタカナ表記のデモクラシーは、英語の democracy を日本語風に読んだものである。
民主主義は、国民が政治的な決定に参加することに基づく政治的システムであり、政治的権力が広範な人々によって共有されることを目的としている。
現代の世界各国の政治制度において、民主主義は非常に一般的なものであり、特に欧米諸国を中心として、政治的に発展した国々のほとんどが、少なくとも表面的には民主主義を尊重するようになっている。
・民主主義の政治的自由と平等
民主主義の重要な点は、政治的に自由であり、法の下に平等であるというところにある。
国民は自由に意見を表明し、政治に平等に参加することができなければ、真の民主主義とは言えない。
政治的な自由とは、表現の自由、報道の自由、集会の自由、選挙の自由、そして思想、信仰、良心の自由などが含まれる。
また、すべての人々が平等に法の下で扱われることを保証することによって、差別や偏見に対抗できるようにしなければならない。
そのためには、国家が国民の自由と平等を保護するための法的枠組みを提供し、国民が自由に意見を表明し、集会や結社を結成し、報道や表現の自由を行使することができるようになる政治の形が望ましい。
・国民による政治的な意思決定
民主主義的な政治体制では、政治的な決定は、大勢の国民による広範な参加に基づいて行われる。
そのため、投票と選挙は、民主主義の基盤となる非常に重要な要素である。
また、国民には、政治的な決定に対して意見を表明することができる手段が必要となる。
手段としては、市民団体、非政府組織、メディア、そして市民によるデモなどが、政治的な意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たす。
・直接民主主義と代表民主主義
民主主義では、政治的な権力を持つ者が、国民からの合法的な権限に基づいて行使される必要があるが、それを行うプロセスが国によって異なる場合がある。
民主主義の形式には、大きく分けると直接民主主義と代表民主主義の2つの形式がある。
直接民主主義では、国民が政治的決定を直接投票によって行う。
代表民主主義では、国民は選挙によって代表者を選び、その代表者が政治的決定を行う。
国民はその代表者に対して責任を負う。
(代表者が何らかの汚職や政治的失敗をした場合、その代表者を選んだ国民にも責任がある。)
現代の日本では、代表民主主義の政治体制をとっている。
いずれにせよ、これら2つの形式は、政治的権力の不当な集中を防止することを目的としている。
しかしながら、日本では、各地の代表者たちが、思想の近い者同士で政党を作っているため、最も数が多い政党が現政権を握り続けるという権力の集中が続いている。
いわゆる「政党政治」である。
政党政治は、地方自治体の議会選挙にまで及んでいる。
地方によって政党の強弱は違えど、与党の影響力が大きく、弱小の政党の後押し程度では当選しないことが多々ある。
・民主主義のメリット、デメリット
◆メリット
民主主義は、政治的な安定と経済的な発展につながると考えられている。
市民が政治的プロセスに参加し、政治的決定に責任を持つことを要求することによって、政治的な不正や汚職を減らすことができる。
また、民主主義は、市民が平等に法の下で扱われることを保証することによって、法的な不正義に対する闘いを支援し、人々の信頼を築くことができる。
◆デメリット
一方で、民主主義的な政治体制には、以下のような欠点もある。
- 議会政治では意思決定が遅い。
- 議会での少数派の意見が無視されることがある。(多数決)
- 政治家または政党が選挙で勝とうと人気を得るために、理想的で夢のようなマニュフェストを用いることがある。
(大衆迎合主義) - 選挙過程での不正行為が行われる。
(瀬踏み行為、帳簿に書かれない政治献金など)
しかし、これらのデメリットは、民主主義的な社会での議論や改善によって、改善することができる。
逆に言えば、生まれたデメリットを改善できる余地があるという点は、民主主義のメリットとも言えよう。
関連項目