資産家のお金持ち
のこと。
ブルジョアとも発音されることがある。
単に現金や貯金がたくさんあるだけでなく、賃貸不動産、会社、工場、利権など、“お金を生み出す資産”を持っている資産家のことを指す。
元々、ブルジョワとは、
中世ヨーロッパの中間階級層の人たちを指す言葉だった。
フランスの社会主義思想家サン・シモンは、彼の著書「産業階級の教理問答」の中において、
貴族・僧>ブルジョワ>労働者・農民
と位置付け、階級論を論じた。
中世ヨーロッパの中間階級層は、貴族などの支配階級を利用して財を成し、時代を経て資本主義的生産を行うようになり、より裕福な近代の資本家となった。
ドイツの思想家カール・マルクスは、彼の著書「共産党宣言※」において、その資本家のことをブルジョワジー(資本家階級)と表記。
プロレタリアート(労働者階級)と対になる言葉として共に広まった。
(※フリードリヒ・エンゲルスとの共著)
ブルジョワ=金持ち
というイメージが今日まで伝わるのは、主に「共産党宣言」に記載されたのが理由である。
・ブルジョワの言葉の由来
ブルジョワという言葉の由来は、
フランス語の城(bourg ブルグ)から来ている。
ここでいう“城”とは、中世ヨーロッパのいわゆる城壁(城郭)都市のことであり、広大な土地を城壁で覆って、その中に作られた街である。
bourg(城 城壁)の中に住む人=bourgeois ブルジョワ
となり、さらには、
都市に住む人=ブルジョワ=市民
ということになる。
中世ヨーロッパは暗黒時代と呼ばれる時代。
王族や領主、司教(高僧)などの支配階級の人たちが対立することが多かった。
そこでブルジョワ(市民)の人たちは、彼らの対立関係を巧みに利用して財を成し、独自の軍隊を所有するようになり、ついには城壁都市の自治権をも獲得していったのである。
また、中世末期以後になると、
ブルジョワたちは営業と生活を発展させて資本主義的生産を見いだした。
そこへ、上層農民の一部が農村工業を発展させて合流し、近代の資本家の基礎ができたのである。
関連項目