4月下旬から5月にかけて、
大風が吹く気象現象
のことを言う。
「May Storm」=「5月の嵐」という意味の、日本独自の和製英語だが、実際には4月下旬から5月にかけて発生することが多いため、別名「春の嵐」とも呼ばれている。
メイストームは、主に温帯低気圧の急速な発達により、台風並みの暴風、海岸では高波をもたらすことがある。
北海道あたりの北の地方や積雪が残る高山地帯では、吹雪になることさえある。
特に山間部では、突風や雪崩が発生することもあり、登山やハイキングには十分注意が必要である。
■メイストームの語源のエピソード
メイストームという言葉が誕生したきっかけは、1954年5月9日から10日にかけて、北日本近海で急激に発達した低気圧の影響で、漁船の集団遭難をもたらしたという事態から来ている。
この低気圧は、華北から日本海に進んできたもので、9日9時には988ヘクトパスカルであったが、翌10日9時には北海道東方に出て952ヘクトパスカルまで発達したと記録されている。
その後の同様な現象は、全てメイストームと呼ばれるようになった。
■ メイストームの特徴
メイストームの特徴は以下のとおり。
- 発生時期: 4月下旬から5月にかけて
この時期になると、大陸から暖かい空気が北上し、日本海上の冷たい空気とぶつかり合うことで、活発な上昇気流が発生しやすくなるためである。 - 原因: 温帯低気圧の急速な発達
24時間間に中心気圧が24hPa以上下降し、短時間で猛烈な勢力に発達する。
いわゆる「爆弾低気圧」。 - 現象: 台風並みの暴風、猛吹雪、高波
メイストームは低気圧の中心から離れた場所でも強風が吹き荒れることが特徴。
そのため、被害の範囲が広くなりやすい。 - 被害: 漁船の集団遭難、山間部での突風や雪崩など
雪崩や吹雪は、まだ積雪が残る高山地帯、または北海道などの北国で発生するもので、太平洋側の平野部では時期的に気温が高くて雪が無いため、このようなことは起きない。
■ メイストームへの対策
メイストームは、台風並みの強い風が発生することがあるため、以下のような対策が必要である。
- 気象情報に注意する: テレビ、ラジオ、インターネットなどで、最新情報を常に確認する。
- 警報・注意報に注意する: 警報や注意報が発令されたら、外出を控え、安全な場所にとどまる。
- 山間部への外出は控える: メイストームが発生しやすい山間部への外出は控える。
どうしても行く必要がある場合は、十分な装備と対策をする。 - 強風対策をする: 飛来物や倒壊の危険に備え、頑丈な建物の中にいる。
- 停電対策をする: 懐中電灯やラジオなど、停電に備えた準備をする。
メイストームは、毎年発生する危険な気象現象である。
メイストームが発生する可能性がある場合は、自治体や気象庁から発表される情報に注意し、前述のような対策を講じることが肝要である。
十分な対策をして、安全に過ごせるように心がけましょう。
■関連項目
■参考サイト様
気象庁 メイストーム
Wikipedia メイストーム
防災情報共有ポータル「サテライト」 – メイストーム