内閣を作ること。
つまり本来は、政治の専門用語である。
しかし、近年は、
組織を作りなおす
という、少し違った意味で使われるようになった。
それには、芸能界のAKBグループという巨大アイドルグループが深く関わっていた。
・組閣が別の意味で使われたワケ
前述のとおり、組閣という専門用語が別の意味で使われるようになったのには、ちゃんと理由がある。
切っ掛けは、AKBグループ内の人事異動。
具体的には、AKB・SKE・NMB・乃木坂46などの各グループにいたメンバーが別のグループに移籍したり、各グループ内のチームを無しにして、別のチームを作ったりすること。
一部のマスコミは、
そのことを“組閣”と呼んだ。
また、2014年2月下旬頃に、AKBグループの大幅な人事異動が発表され、グループ内外に大反響を及ぼした。
そのことをマスコミは“大組閣”と呼び、当時のAKBファンは大いに騒いだ。
大組閣とは、元の“組閣”という言葉の前に“大”という文字をつけた造語。
当時のマスコミの報道のせいで、造語であるはずの大組閣というキーワードがかなり検索された。
その影響は大きく、しばらくの間、グーグルの検索キーワードの上位に食い込むほどであった。
この“大組閣”というキーワードの影響で、元の言葉の組閣という言葉もクローズアップされるようになった。
それによって、元の意味の「内閣を作る」も知られることとなった。
しかしながら、やはり、
政治よりもAKBの方が世間に注目される
のが事実。
よって、元の意味よりも
「組織を作りなおす」
という意味の方が定着しているのが現状である。
・本来の組閣
具体的には、内閣総理大臣を国会議員から多数決で選び、その後、内閣で活躍する大臣を国会議員から選んで内閣という組織を作る。
政党政治が主流の日本では、
大臣は総理大臣が所属する政党のメンバーから選ばれる。
例えば総理が自民党員なら、
大臣も当然自民党員ということになる。
つまり、“身内”で内閣を固めるワケだ。
- 身内同士なら話を進めやすいし、
政治の方向性も決めやすい。
大学で知り合い同士でサークルを作ったり、職場内での派閥が、同じ大学出身などの親しい(近しい)仲間内で作られているのと大して変わりはない。
ぶっちゃけ、
- 仲良し同士なら話が早い
ということだ。
様々な思惑が蠢く政治の世界も、
一般人の世界と同じなのである。