【あらすじ本舗】天空の城ラピュタ

このページには、
1986年8月2日公開のアニメ映画「天空の城ラピュタ」のあらすじが書かれています。

ネタバレがありますので、
まだ本作を観たことが無い人は
読まない方がいいと思います。

それでも読みたい方は、
ネタバレがあることを納得の上で、
全て自己責任でお読みください。

 

■プロローグ

空をゆっくりと飛ぶ、
巨大な鉄の飛行船があった。

名前はゴリアテ。

とある国の軍隊が所有する
軍事用の戦闘飛行船だ。

その武骨な鉄のかたまりの中に、
軍艦には似つかわしくない、
可愛らしい少女がいた。

憂鬱な顔で窓から外を眺めるその少女は、
差し出された食事を拒否し、
ただひたすら外を眺めるだけだった。

拘束はされていないが、
不本意な形で軟禁状態にされているのが
うかがえる。

少女の胸元には、
美しく青いペンダントが光っていた。

そして、少女は気づく。

何かがこちらに向かってくる。

一体何が?

それ、否、それらは、
ゴリアテをずっと追跡していた。

そして今、襲撃のチャンスとみて
襲い掛かってきたのだ!

向かってきたモノの正体は、
小型の飛行機「フラップター」4機。

羽虫に似た4枚の翼を持った、
海賊たちの飛行機だった。

巧みな操縦技術であっという間に
ゴリアテに取り付き、中に侵入。

艦内は大騒ぎになり、
銃撃戦が開始された。

果たして海賊たちの目的は?

海賊たちのリーダーはおさげの中年女性。

彼女は部下たちに、荒々しくも的確な指示を出し、
あっという間に少女がいる部屋の前にたどり着いた。

海賊たちの目的は少女だった。

少女を監視していた黒服の男たちは、
部屋からいち早く飛び出し、
銃撃戦を繰り広げていた。

部屋にいた眼鏡の男は、
襲撃されたことをモールス信号で
どこかへ伝えようとする。

その隙を見た少女は、
騒ぎで床に落ちたワインの瓶を掴み、
眼鏡の男を殴打して昏倒させた。

そして、海賊たちが部屋に突入した。

少女の姿がない!

慌てる海賊たちは、
少女が窓の外に出ていて、
艦の壁面にしがみついているところを発見。

少女は窓から出て、
窓伝いに隣の部屋へ逃げようと試みたのだ。

海賊たちがそこまでして少女を狙う理由は?

それは、少女が身に着けている
青いペンダント。

海賊たちは何とか少女を捕まえようと試みる。

しかし、少女は襲撃のショックで足を滑らせ、
悲鳴とともに下に落ちてしまった!

あっという間に雲の中へ消えてしまう少女。

「しまった!」

悔しがる海賊の中年女性リーダー。

そう、あの青いペンダントは、
飛行石と呼ばれる青い石がついていたのだ。

海賊たちを夢中にさせる飛行石。

一体どんな秘密があるのか?

 

雲を抜け、真っ逆さまに落ちていく少女。

少女は気絶していた。

このまま死ぬのは明白。

しかし、青い石が青い光を放ち、
少女の落下スピードをあっというまに減速させる。

少女は眠り姫のように仰向けになったまま、
ゆっくりと下に降りていくのだった。

 

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■パズーとの出会い~飛行石の由来

とある鉱山の町。

スープと肉団子を売ってくれる店に
少年が訪れていた。

少年の名はパズー。

若輩ながらも鉱山で働く、
元気でタフで石頭の明るい少年だ。

親方と呼ばれる鉱山の工夫のために、
夕食を買いに来ていたのだ。

鉱山の現場に戻る途中、
少年は青い光を見た。

急いで青い光を追うと、
なんと紺色の服を着た少女だった。

少女は仰向けのまま、
ペンダントの青い輝きに支えられるように
ゆっくりと落ちてくる。

それは、鉱山の現場の真上だった。

パズーは慌てて少女を抱きかかえ、
床板の上に寝かせた。

パズーは、その驚くべき事実を
親方に伝えようとした。

しかし、実にタイミングよく(悪く)、
産業革命時の機械を思わせる
工作機械の蒸気エンジントラブルや、
鉱山内から工夫が出てきたりして、
結局、少女の事を誰にも伝えることはできなかった。

鉱山での採掘も上手くいかず、
今夜の残業は無し。

こうして少女は、
パズー以外の誰にも知られず、
パズーよって保護されることになった。

 

翌朝、パズーは夜明けのラッパを吹いて
鉱山の町全体に朝が来たことを告げる。

そのラッパの音で少女は目が覚めた。

自分を助けてくれた少年がハトに餌をやり、
ハトから慕われていることを知ると、
安心して少女は名乗った。

少女の名はシータと言った。

シータはパズーの説明で、
飛空艇から落ちたのに
何故自分が死ななかったのかを知る。

全てはペンダントの青い石のおかげ。

パズーが試しても、
決して力を発揮しない青い石には、
何か、とてつもない秘密が隠されているようだ。

天空の城ラピュタを信じ、
いつかラピュタにたどり着くことを
夢見る少年。

死んだ父親が詐欺師じゃないことを、
自らラピュタへ行くことで証明しようとしている。

そんな夢見がちな少年が、
空から降ってきた少女と出会う。

そして、天涯孤独という
ふたりの境遇が同じこともあって、

「何か運命的で、素敵な何かがこれから始まる」

と少年が思ったのは、
自然で無理のないことだった。

 

顔を洗って一息つくと、
白いスーツを着た男たちが
パズーの家に訪ねてきた。

その男たちを見て、
少女は顔を曇らせる。

海賊たちは「ドーラ一家」。

ゴリアテを襲った連中だ。

少女が落ちたあたりを調べ、
少女がいるかどうかを確認しに来たのだ。

パズーは事情を察し、機転を利かせて、
シータを少年に変装させ、
上手くその場を切り抜けた。

とりあえず、親方に保護してもらおうと、
ふたりは親方の家へ向かったのだった。

しかし、海賊たちは一枚上手だった。

海賊たちは、パズーのところと同時に
鉱山の親方ダッフィーのところへも行き、
少女の行方を捜していたのだった。

そこへふたりが来てしまったため、
海賊とパズーたちは鉢合わせ。

しかも、タイミング悪く、
シータが転んでしまい、
帽子が取れて顔とおさげがあらわに。

変装が見破られてしまった!

捕まえようとする海賊たちを
親方と鉱山労働者たちがけん制。

にらみ合うことになった。

(親方と海賊との小競り合いは割愛)

その隙に、ふたりは親方の妻の手引きで
家の裏口から脱出。

途中で鉱山列車の運転手に助けを乞い、
乗せてもらった —–

—– のもつかの間、
ドーラ一家は自家用車で線路を破壊しながら
追いかけてきた!

貨物車両を切り離したり、
海賊にスコップをぶつけたりして
何とか凌いできたが、
途中で軍の戦闘列車と鉢合わせしてしまう。

鉱山列車の運転手は事情を知らないので、
ふたりを保護するように軍列車に頼んだ。

すると、黒服の男たちが降りてきた!

ゴリアテでシータを軟禁し、監視していた連中だ。

シータはパズーを巻き込まないために
一人で逃走しようとするが、
パズーもついていってしまい、
結局、ふたりで逃亡することになってしまった。

戦闘列車の砲撃のショックで、
線路からがけ下に落ちるふたり。

しかし、再び飛行石の力で無事に着地。

その力を見たドーラは
飛行石を何としても手に入れたいと
悔しがるのだった。

ふたりは廃坑の中に逃げ込み、
誰も追ってこないことを確認すると、
ようやく一息つくことができた。

食べ損ねた朝食を
カバンの中から取り出したパズー。

2人分のパンと目玉焼きとフルーツ。

なんでも出てくるパズーのカバンを見て、
シータは笑顔を取り戻すのだった。

 

食事を終えたところへ、
何者かがやってくるのに気づく。

身構えるふたり。

その者の正体はポム爺さん。

パズーが慕う、石の達人である。

ポム爺さんと合流し、
安全なところで石について
語りあう三人なのだった。

石が騒ぐ。

ポム爺さんの言葉にいぶかしむ二人。

その証拠に明かりを消すと、
坑内が星空のように煌めいていた。

これらの小さな光は飛行石の光。

この辺りの石には飛行石がふくまれているという。

その証拠に、ポム爺さんが
そのあたりの石を割ってみると、
青い輝きを放って消える。

その様を不思議そうに見ているふたり。

その時、シータは気づく。

ペンダントを取り出してみると、
飛行石が強い輝きを放っていた。

「道理で石たちが騒ぐワケじゃ。」

ポムによると、シータが持つ飛行石は、
とても純度が高い結晶。

昔のラピュタ人だけが、
それを造り出す技術があったという。

そう、この石こそがラピュタがあるという
紛れもない証拠。

ポムと別れて地上に出たふたり。

パズーは意気込む!

新たな決意を胸に、必ず飛行機を完成させて
ラピュタへ行ってみせると言う。

「すごいぞ!ラピュタは本当にあるんだ!」

興奮が冷めないパズーと
唖然とするシータ。

そこへ空から軍隊が突然やってきて、
ふたりを追い詰める!

シータを逃がそうとするパズーだが、
後頭部を銃で殴られ、気絶してしまう。

心配したシータは、
パズーにしがみついて
起こそうとするが・・・。

結局、ふたりは軍によって
拘束されてしまうのだった。

 

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■軍の拘束~ラピュタへ

ふと気がつくと、
パズーは牢屋の中にいた。

隙間から外を確認すると、
そこは城を改造した軍事基地だった。

何とか出ようともがくが、
出ることはできなかった。

一方、シータは眼鏡の男の説得を受けていた。

男の名はムスカ。

軍の大佐である。

政府から密命を受けていた彼は、
ラピュタへ行くための方法を模索していた。

その過程で、飛行石とシータの存在を知り、
拉致していたのだった。

海賊やパズーたちとの小競り合いがあったが、
結局、シータはムスカのところへ
戻ってくる羽目になったのだ。

ムスカの案内と解説で、
シータは空から降ってきた
巨大なロボットの存在を知り、
さらに自分の持つ飛行石が
真のラピュタ王の証であることも知る。

また、ムスカは言葉巧みに、
「ラピュタの存在は危険だから、
そのままにしておくのは良くない」
とシータを説得。

ラピュタ発見に協力して欲しいという。

そして、パズーの処遇はシータ次第とも告げる。

パズーをこれ以上巻き込みたくないシータは、
ムスカに協力することを決意。

既にパズーを好きになっていたが、
泣く泣くパズーと袂を別つことにした。

ムスカから金貨を三枚押し付けられ
鉱山へ返されるパズー。

意気消沈して帰宅すると、
そこには海賊ドーラ一家が待ち受けていた。

ふんじばられたパズーは、
ドーラから「娘を売った」と詰られる。

シータの思いやりにようやく気づいたパズーは、
シータを救うためにドーラ一家の仲間になることを決意。

40秒で支度をし、
飼っていたハトを逃がし、
生家を後にするのだった。

 

一方その頃、シータは昔のことを思い出していた。

ムスカに協力したくても、
特別なことは何も教えられなかったと
思っていたシータ。

しかし、困った時に助けになるおまじないを、
祖母から教えられていたことに気づく。

そして、そのおまじないを何気なく口ずさんだ。

リーテ・ラトバリタ・ウルス
アリアロス・バル・ネトリール

そのとたん、飛行石が激しく光り輝き、
強力な突風が室内を満たした!

騒ぎに気付いたムスカがかけつけ、
シータを問い詰める。

何気なくつぶやいたので、
よく覚えておらず、
教えたくても教えられない。

いらつくムスカだったが、
更に驚異の事態が城の中で起こっていた。

なんと、壊れたと思われていた
巨大ロボットが動き出したのだ!!

ロボットはとてつもない力と
強力なエネルギー光線を持ち、
助けを求める主を救うために
700年の眠りから覚め、動き出したのだった。

あらゆる銃撃が効かず、
隔壁をエネルギー光線で溶かして破壊。

城の砲台までも破壊して
シータの元へ迫る!

城の上空に来ていたゴリアテの砲撃を受け、
ロボットは沈黙したかに見えたが、
再び動き出してエネルギー光線で
城中を破壊しつくすのだった。

炎に包まれ、地獄絵図と化した城。

その、あまりの無慈悲さに
驚いて悲しんだシータだったが、
自分を塔の端に置き、礼儀を尽くす姿を見て、
単なる殺りく兵器ではないことを知る。

そこへ、ドーラ一家とパズーがやってきた!

シータを救うべく、
フラップターで駆けつけてきたのだ。

嬉しくてパズーと叫ぶシータだったが、
ゴリアテの砲撃が再開され、
今度こそロボットは破壊される!

その哀れな姿に涙するシータ。

そして、ゴリアテの砲撃は城をも巻き込み、
近くにいたドーラに石の破片が当たってしまう。

気絶するドーラ。

ドーラのフラップターは墜落しかけるが、
一緒にいたパズーの機転で何とか持ち直す。

そして、最後のチャンス!

城をすり抜けざまにシータを抱きしめ、
かっさらうことに成功した。

軍を指揮するモウロ将軍は、
ゴリアテに海賊たちの追撃を命令するが、
海賊たちの機転によって煙幕が張られ、
追撃はできなくなっていた。

ラピュタへのカギとも言えるシータをさらわれ、
どうしたものかと考えていたムスカだったが、
飛行石が城のすぐ外に落ちていて、
まだラピュタの方向を指し示す
光を出せることに気づく。

そして、将軍にラピュタへ行く作戦を
続行するように言うのだった。

 

ドーラの元に身を寄せることになったふたりは、
海賊の本船とも言える飛行船
「タイガーモス号」に乗船する。

シータは飛行石の光が差した方角を
的確に覚えており、飛行石が無くとも
ラピュタの位置を把握できていた。

その記憶力と解説に関心したドーラだが、
ふたりにタダ飯を食わせる気はない。

それぞれの船内での役割を与えられるふたり。

船の技師(頑固じじいモトロ)の助手として
迎えられるパズー。

シータは調理場を任される。

ふたりとも、それぞれの人生経験で
培った技量が、そのまま即戦力として
役に立っていた。

シータは料理が非常にうまく、
可愛い外見も相まって、海賊たちからモテモテ。

パズーも役に立つ男として
海賊たちの中に無理なく自然に溶け込んでいた。

 

ある日の夜、交代で見張りについていた
パズーのところにシータがやってくる。

今後のこととラピュタのこと、
そして、恐ろしい言葉について語りあう。

ドーラは室内から振音管で聞き耳をたてていたが、
ラピュタの方角が嘘じゃないことを知ると、
ふたりの逢瀬を認めるかのように目を閉じるのだった。

しかし、次の瞬間、
パズーが騒ぎ出した。

飛んでる方角が違うと。

風向きがいつの間にか変わっていたのだ。

そして、見張り台がそのまま凧になることを
ドーラから教えられたパズーは、
シータとともに凧で飛び出す。

凧で雲の上に出たパズーは、
山ほどもある大きな雲のかたまりを発見。

風向きが逆になるほどの
超低気圧をまとった雲だった。

しかも、ゴリアテが船の真下にいることを発見!

ゴリアテは船の下から飛び出し、
攻撃してきた。

山のような雲の中に逃げ込んだ
タイガーモス号だったが、
砲撃のショックでパズーたちが乗った
凧のワイヤーが切れてしまう。

雲の中は龍の巣と呼ばれる風雷が
巻き起こっていた。

風で飛ばされながらも、
パズーは凧を操り、
風雷の中に亡き父の姿を見る。

「父さんもこうしてラピュタを見たんだ。」

と直感する。

父の魂に導かれるように、
パズーとシータを乗せた凧は、
龍の巣を潜り抜けていくのだった。

 

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■天空の城ラピュタ

パズーが目を覚ますと、
花が咲き乱れる緑の上にいた。

起き上がると、
シータに結んでいた紐が引っ張られ、
シータも目を覚ます。

美しく広大な庭園。

綺麗な青空。

そして、街が埋もれた
深い水の掘。

そう、ここが天空の城ラピュタ。

ふたりを乗せた凧は、龍の巣を潜り抜け、
遥か上の庭園に不時着したのだ。

あまりの解放感と爽快感に気づいた二人は、
どちらからともなく笑いあった。

改めて眺めると、
本当に巨大な城塞都市が
そのまま空中に浮かんでいるのがわかる。

ラピュタの凄さと強大さを
感じるふたりだった。

そこへ、あのロボットがやってくる!

そう、軍の城を壊滅させた、
圧倒的な破壊力を秘めたあのロボットだ。

身構えるふたり。

ロボットは、ふたりが乗ってきた凧を
掴んで持ち上げた。

怒るパズーだったが、
その理由がすぐに判明する。

ひたきの巣があったから、
凧をどけたのだ。

ロボットは歩き出す。

シータは呼ばれたような気がして
ついていく。

パズーもそれに従う。

城はあちこちが痛んでいて、
植物に覆われていた。

巨大な木が成長し、
ドームを突き破って
空にまでとどく勢いだった。

そして、動かなくなったロボットたちを発見する。

ここで朽ちたのだ。

人がいなくなって、
かなりの時が進んでいるみたいだった。

まだ動くロボットたちは、
キツネリスら小動物たちと共存し、
ずっと庭の世話を続けていたのだ。

時の流れに哀愁を感じるふたり。

その時、静寂を断ち切る爆音が聞こえた!

様子を見に行ってみると、
ゴリアテがラピュタに上陸していた。

そして、城の中の街に入り込み、
略奪の限りを尽くしていたのだ!

ドーラ一家は軍によって捕縛され、
縄でしばられていた。

タイガーモス号は大破しているようだった。

悔しがる一家をしり目に、
兵の一人が豪華な金の装飾品を持ってきた。

こういったものがわんさかあるという。

次々と見つかる高価な装飾品に
モウロ将軍も目がくらみ、
城の中へ突入するのだった。

一方、ムスカたちは別の目的で行動していた。

彼らは城には興味が無く、
下の方の黒い球体部分を探っていた。

入口を見つけるためだ。

そして入口の目印を見つけ、
シータから奪った飛行石で
入口をあけたのだった。

パズー達はそうともしらず、
城の下側から回り込んで、
ドーラたちを助けようとした。

しかし、運悪くパズーが捕まっていた
柱が崩れ、その音でムスカたちに見つかってしまう!

ムスカの護衛の黒服たちは
銃でパズーを狙撃しようとした。

これ以上撃たせないために、
シータは身を挺して黒服たちに突撃!

パズーは柱の穴に入って間一髪で助かったが、
シータはそのまま捕まってしまい、
黒い球体の中へ一緒に連れ込まれてしまう。

ムスカたちの銃撃で気づいた上の兵が
手りゅう弾を柱の穴に入れて爆殺しようとした。

しかし、パズーは無事だった。

ドーラのすぐ真下から顔を出し、
ドーラの縄を切ってナイフを渡した。

その際に、ドーラは迫撃砲を弾と一緒に
パズーに渡す。

パズーはシータを救うべく、
球体の内部への入口を見つけるために
その場を立ち去った。

ドーラたちは兵に気取られないように
縄を全員抜けて、縛られてるふりを続けた。

 

黒い球体の中に入ったシータと
黒服の男たちは驚いた。

ラピュタの中枢は不可解な文様が刻まれた
黒い石が集まってできていて、
それらが動くことで、
城の機能が制御されているようだった。

ふたりの黒服を残し、
ムスカとシータのふたりは、
ついにラピュタの力の根源にたどり着く。

それは、超巨大な飛行石の結晶。

シータの持った飛行石など
比べ物にならないほどに大きく、
強大な力を秘めているようだった。

 

一方、無線機をムスカに全部
壊されたことを知ったモウロ将軍は、
ムスカ一味をスパイ容疑でとらえることを決意。

元々、ムスカを気に入らなかった将軍は、
これを機に復讐するつもりで兵を集め、
黒い球体の閉じた入口を爆破した。

しかし、キズ一つつかない。

そこへムスカの声が響き、
入口を開けられたのだ。

将軍は兵を率いて中へ突撃するが、
着いた場所は、単なる広場だった。

そこへホログラフで空中に現れた
ムスカとシータの姿。

ムスカは自慢げに自分が新たな
ラピュタ王であることを告げ、
ラピュタに秘められた力を見せつけた。

海上に飛んだエネルギー体は
核を思わせる大爆発を起こし、
皆を驚愕させた。

これがラピュタの力。

その力に惚れた将軍は、
ムスカを褒めつつも銃で銃撃するが、
ホログラフの映像に撃っても
本人に当たるわけがない。

心底呆れたムスカは、
暴走を止めようとするシータの邪魔を退け、
広場の床を消失させて
将軍たちを落下させて始末した。

それと同時に、
城内で眠っていたロボットたちが動き出した。

逃げ惑う兵士たち。

ゴリアテに乗り込んで生き残った兵たちは、
ラピュタの半球体に攻撃を仕掛ける!

半球体はびくともしない!

ロボットたちが次々とゴリアテに襲い掛かり、
ゴリアテは火を噴いて下へ落下していった。

「ははは、人がゴミのようだ!」

それを最高のショーだというムスカに
ついに我慢できなくなったシータは、
隙を見て飛行石を奪い、中枢の間から立ち去った。

ムスカはシータを舐めているのか、
余裕の態度でゆっくりと彼女を追い詰めていく。

そのころ、パズーはゴリアテの砲撃で
吹き飛ばされていたが、
運よくロボットの射出穴へ入り込んでいた。

靴を脱ぎ棄て、
持ち前のガッツと脚力で
なめらかな壁面を登り切り、
連なるロボットを梯子代わりに
上へ上へと登って行くのだった。

全てはシータを助けるために。

 

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■滅びの言葉

隙を見て飛行石を奪ったシータは、
ムスカから、あちこち逃げ回っていた。

丁度その時、パズーは驚異的な行動力で
釜の底からロボット排出穴から這い上がり、
玉座の間の近くまで来ていた。

自分を呼ぶパズーの声に気づいたシータは、
木の根の隙間から飛行石をパズーに渡す。

「海に捨てて、逃げて!」

しかし、それを目撃したムスカに銃撃され、
シータの命と引き換えに石を渡すことを
パズーは余儀なくされてしまう。

命からがらシータは逃げるが、
結局玉座の間でついに追い詰められてしまう。

そこでシータは、
この場所こそがシータとムスカの死に場所だという。

人は地上に降りなければ生きられない。
ラピュタが滅んだのはそのため。
だから、先祖たちは地上に降りることを選んだ。

飛行石のない王はただの人。

私たちは、このままここで朽ち果てていくのだと。

その言葉を聞いたムスカは、
小娘に説教されたと思ったのか、
激高してシータを撃った。

おさげを両方とも射撃で千切り飛ばし、
ひざまずいて命乞いしろと強要する。

そこへ、パズーが駆けつけてきた!

石を隠しており、シータを撃ったら
元には戻らないぞと脅す。

どちらにしろ、ふたりとも殺すつもりの
ムスカだが、石が無くては本末転倒だ。

そこで、3分間の猶予を与え、
話し合って結論を出すように言う。

そう言って後ろに下がったムスカは、
銃に弾を込め直す。

交渉の猶予を与えたのは、
弾切れに近かったからだろう。

寄り添うふたり。

逃げなかったことを嘆くシータだったが、
パズーが優しく手を重ねて、
ドーラたちを逃がしたことを伝え、
更に、これからすることを提案してきた。

「時間だ」

強気で回答を迫るムスカ。

ふたりは手をつないだまま。

パズーは迫撃砲を捨てる。

降伏するのかといぶかしむムスカ。

ふたりはゆっくりと前に出て、
重ねた手を前にだす。

そして、滅びの言葉を口にした。

 

バルス!!

 

その瞬間、飛行石が最大級の光を放ち、
ふたりを吹き飛ばした!!

その光はムスカの目の光を奪い、
あまりの痛さに悲鳴をあげる!

目が!目がァ~~!!!

そして、ラピュタを支えていた
巨大な飛行石は真上に飛び出し、
不思議なブロックを破り、
黒い釜の底を崩壊させた。

崩れ落ちるラピュタの心臓部。

ムスカは釜の底の崩壊に巻き込まれて消えた。

最後のラピュタ王の最期であった。

城の底は次々と崩れ、
瓦礫となって崩壊していく。

 

ドーラ一家は、ギリギリまでふたりを
待っていたが、限界が来たので
フラップターに乗って脱出したのだった。

何が原因で起こったのかわからない
海賊の子分たち。

「滅びの言葉を使ったんだよ。」

ドーラだけが事情を察し、
パズーとシータのふたりが、
軍やムスカたちからラピュタを守ったことを
理解していた。

そして、城の底の崩壊とともに、
巨大な飛行石が木の根に絡まっているのを
ドーラ一家は発見する!

欲しいともがいて、
フラップターで上昇しようともがき、
人が多すぎてダメなことを悔しがるのだった。

 

ふたりが気づくと、
崩壊がおさまっていた。

張り巡らされた巨木の根が、
崩壊からふたりを救っていたのだ。

巨大な飛行石は木の根の上の方まで登り、
重力バランスが崩れたラピュタは、
浮力により、さらに天空へと昇り始めていた。

丁度良いことに、
凧も無傷で残っていた。

ふたりは凧に乗ってラピュタを脱出した。

風に乗って凧が城の上まで登った時、
城の様子を一望することができた。

キツネリスと一緒に歩くロボット。

綺麗に花が咲く庭。

城の上の部分は今までどおりで無事だったのだ。

何事もなかったように振る舞う
ロボットの後姿を見て、
万感の思いがふたりの脳裏をよぎる。

 

 

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■エピローグ

必死に上昇しようと試みるドーラ一家のところに、
パズーとシータが乗った凧が戻ってきた。

ふたりの無事に心から微笑むドーラ。

その眼は少しうるんでいた。

船が無くなり、悲しむモトロだったが、
ドーラ率いる海賊たちはタダでは転ばない。

少しではあるが、
城のお宝をくすねて持ってきていたのだ。

その逞しさに微笑むふたり。

微笑ましい大団円。

だが、別れの時がやってくる。

パズーはシータを故郷へおくるため、
そのまま凧に乗って飛び去って行った。

ふたりを優しい目で送り出す海賊たち。

そして、どこまでも高く昇るラピュタ。

ラピュタの平穏を妨げる者は
もういない。

 

一つの冒険がおわった。

しかし、人生と言う名の冒険は
これからも続くのだ。

パズーとシータ、
鉱山の労働者たち、
そして海賊たち。

皆の明るい未来を感じずにはいられない。

 

 

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■考察

ジブリアニメの代表作ともいえる、天空の城ラピュタ。

何度見ても飽きない。

懐かしいと思って見ても、
まるで始めてみるかのように毎回心が引き込まれてしまう。

私は、こう断言できる。

天空の城ラピュタを超える冒険活劇のアニメは現在でも存在しない。

と。

愉快さ、爽快さ、派手さ、カッコよさ、どれをとっても素晴らしいの一言!

幼いとはいえ、主人公たちの男女のロマンスもしっかりと組み込んであり、隙の無い娯楽アニメに仕上がっている。

つまり、非常に高いレベルで完成した完璧な冒険活劇アニメのひとつと言える。

2~3年というスパンではありますが、
定期的に再放送される理由がよくわかる。

下手なドラマよりも面白い。

 

ここまで褒めておきながら、
ツッコミどころはたくさんある。

ドーラ一家

空飛んでるのに海賊

空賊の方が正しいんじゃないだろうか?

あと、ドーラの部屋に
若いころの写真が飾ってありますが、

顔が違いすぎ!

別人の写真か、
はたまたドーラがわざと整形したか。

飛行石以上の謎がここにある。

 

②飛行船に砲台

ゴリアテに砲台が積んでありますが、
飛行船に砲台積んだら、航空力学上、空飛べないと思うが??

まあ、空飛べたとしても、
砲撃した瞬間にブレて方角が変わりそうな気がする。

とにかく、命中率が不安定な武器に
なり下がると言えよう。(笑)

 

③パズーの足が脚力有り過ぎ!

普通は、あんな垂直面は登れません。

主人公属性があっても、普通は無理!

まあ、カッコいいからスルーされているのだが。

 

あと、パズーとシータの後日談。

④ふたりは結ばれていない。

結局、別々の人生を歩んで、お互いに文通しているだけ。

あそこまで絡んでおいて、この後日談はダメでしょ!!

普通、そのまま結婚したと思うでしょ?!

でも、してない。

まあ、心は結ばれているみたいですが。

私は、そんな結末は望んでいない。(笑)

途中で別れたとしても、
子供くらいは作っておけよ!!

それが私の本音である。


 

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