民間人が軍隊のトップに立ち、
最高指揮権を持つこと
を表す。
四字熟語で言うと「文民統制」となる。
例えば、日本の自衛隊のトップは幕僚長であるが、幕僚長は防衛大臣(当時の呼び方)の指揮下に入っている。
大臣は、選挙で選ばれた民間出身の人間。
有事の際は、大臣の決定や指揮によって、日本の自衛隊が動く。
つまり、この形こそが
「シビリアンコントロール」ということ。
言い方を変えると、
- 軍人は民間人よりも立場が下
ということもできる。
近代国家では、シビリアンコントロールは第一原則となっている。
これは、軍事力そのものである軍隊に、武力で政治介入できないようにするための民主政治の防衛手段である。
政治への介入だけでなく、軍隊の暴走によるクーデターや内乱を防ぐ意味でも、シビリアンコントロールは必要不可欠である。
シビリアンコントロールという言葉は、教科書に出てくる言葉ではあるものの、あまり一般的に使われる言葉ではない。
しかしながら、2018年4月5日に国会で行われた定例会見で、当時の自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が、当時の野党からの質問に対して、
「シビリアコントロールが崩れているとは思わないが、疑義が出ているという批判は真摯に受け止めなければならない」
と答えた。
この件は、イラク派遣部隊の日報が2017年3月に陸上自衛隊で見つかったものの、当時の稲田朋美防衛相らに報告されなかった問題※を発端としていた。
(※約一年遅れで報告されていた。つまり当時の稲田防衛大臣辞任後。)
このことが、当時のマスコミや各マスメディアによって大々的に報道された。
それによって、シビリアンコントロールという言葉が、当時の大手検索エンジンの検索キーワードランキングで上位に食い込んだ経緯があった。
—–以下、私的考察—–
まあ、報告しなかった陸自側の気持ちも解らなくはない。
日本の自衛隊のトップに立つ大臣は、戦闘のせの字も経験がない文民である。
PKOで海外派遣された自衛隊員たちの現状と現実を知らずに、安全な永田町からモノを言うだけの人物に、日報を渡したところで「あんたに何がわかるのか?」と…。
まあ、義務を怠ったことは問題ではあるが、民間よりも下とはいえ、自衛隊員も立派な日本国民である。
彼らへの配慮が、もう少し良くなれば、今後、このようなことが起きないのではないかと思う今日この頃である。
—–以上—–