スペインのイベリア半島原産の黒豚
のこと。
厳密には、以下の基準を満たしたものをイベリコ豚と呼ぶ。
- イベリア種100%純血の豚
- イベリア種とデュロック種を交配させた豚
(ただし、イベリア種が50%以上) - スペイン政府から認証されている
1または2の豚で、スペイン政府に認証された豚を“イベリコ豚”と呼ぶ。
イベリコ豚は肉質が非常によく、その独特の風味と肉質から「世界最高の豚肉」とも呼ばれている。
■イベリコ豚の特徴
イベリコ豚は、通常の食肉用の豚とは異なり、いくつかの特徴がある。
◆イベリア半島原産の黒豚
イベリコ豚の主な特徴は以下のとおり。
- 黒い蹄と長い鼻
- ドングリを主食とする
- 霜降り状の脂肪
◆特徴的な飼育方法
イベリコ豚は、広大な牧草地で放牧され、ドングリや野生のハーブなどを食べて育つ。
この飼育方法が、イベリコ豚独特の風味と肉質を生み出す秘訣とされている。
つまり、イベリコ豚の肉質は、豚の品種とは直接的に関係が無いということである。
◆ランク分け
イベリコ豚は、飼育方法や血統によってランク分けされている。
生ハムの場合、製品に特定の色のタグを付けることで識別できるようになっている。
- 黒 最高ランク
- 赤 高ランク
- 緑 中ランク
- 白 普通ランク
- デ・ベジョータ(De Bellota)
- 10月1日から12月15日の間に放牧を開始し、その内の最低60日間はドングリの木が植えられた放牧地でドングリまたは自生植物のみで穀物飼料を与えずに放牧肥育する。放牧終了時に開始前と比較して46kg以上の体重増があり、屠畜時月齢14か月以上のもの。生ハムの場合はこの内100%のイベリコ血統のものは黒いタグ付けとし、その他のもの(50%または75%がイベリコ血統)のものは赤いタグ付けとする。
- デ・セボ・デ・カンポ(De Cebo de Campo)
- 最低60日間は放牧でドングリまたは自生植物、穀物飼料を与えて肥育し、屠畜時月齢12か月以上のもの。イベリコ血統50%以上。生ハムの場合は緑のタグ付けとする。カンポはスペイン語で「野原」や「畑」を意味する語で屋外飼育を意味する。
- デ・セボ(De Cebo)
- 穀物飼料だけで肥育された屠畜時月齢10か月以上のもの。イベリコ血統50%以上。生ハムの場合は白いタグ付けとする。セボとは飼料という意味。
引用元:Wikipedia イベリコ豚
最高ランクの「デ・ベジョータ」は、ドングリまたは自生植物のみを食べて育ったイベリコ豚であり、肉質も最高といわれている。
■イベリコ豚の美味しさの秘密
◆ドングリによる風味
イベリコ豚が食べるドングリには、オレイン酸が豊富に含まれている。
このオレイン酸が、イベリコ豚の脂肪に独特の風味ととろけるような口溶けを与えるとされている。
◆霜降り状の脂肪
イベリコ豚の肉には、美しい霜降り状の脂肪が入っている。
この脂肪が、肉の旨味とジューシーさを引き立てる。
◆熟成による旨味
イベリコ豚の生ハムは、長期間熟成させることでアミノ酸が増加し、濃厚な旨味が生まれる。
■イベリコ豚の食べ方
◆生ハム
イベリコ豚の生ハムは、そのまま食べるのがおすすめである。
口の中でとろける脂肪と、濃厚な旨味を堪能できる。
◆ステーキ
イベリコ豚のステーキは、シンプルに塩胡椒で焼くだけで美味しくいただくことができる。
食すると、肉の旨味とまろやかな脂の甘みが口の中に広がる。
◆煮込み料理
イベリコ豚は、煮込み料理にもおすすめ。
特に肉の旨味が溶け出したスープは絶品であると噂されている。
■イベリコ豚の栄養
◆オレイン酸
イベリコ豚の脂肪には、オレイン酸が豊富に含まれている。
オレイン酸は、悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する効果があると言われている。
◆ビタミンB群
イベリコ豚には、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群が豊富に含まれている。
ビタミンB群は、疲労回復や皮膚の健康維持に効果があると言われている。
◆鉄分
イベリコ豚には、鉄分も豊富に含まれている。
鉄分は、貧血予防に効果があると言われている。
■関連項目
なし