エッチングとは何なのかわかりやすく解説

エッチングをわかりやすく言うと、

腐食作用を利用して金属を加工すること

を意味する。

英語では Etching と表記する。

恐らく、この言葉の意味を検索エンジンで調べた人の多くは、

「性的な意味の“エッチ”の進行形なんじゃないか?」

と予想(期待)して調べたと思われるが、そのような低俗かつ低レベルな意味の言葉ではないので悪しからず。

・具体的なエッチングの手法

エッチングは、主に銅や亜鉛などの金属加工に使われる。

腐食性のある金属の種類は数が多いため、エッチングは幅広い金属加工に応用可能である。

具体的な手法としては、金属の腐食させたくない部分に、防錆処理や防腐処理などのレジスト処理を行い、それ以外の部分に化学薬品を塗ることで腐食させ、様々な模様やデザインを浮き彫りのように作り出すことができる。

例えば、唐草模様の白の部分にレジスト処理を施し、それ以外の部分をエッチングすると、白の部分だけが残ったデザインとなる。

レジスト処理さえ完全なら、エッチング部分と非エッチング部分の境界(エッジ部分)を非常に精細かつ精巧に仕上げることが可能である。
(液体を使用するため、分子レベルで加工され、手動で切ったり削ったりするよりも精巧な仕上げになるから。)

故に、変形しやすい、デリケートな金属の加工も可能である。

主なメリットとしては、薬品とレジスト処理のみで加工を行うため、金型なしで金属加工が可能になる。

そのため、生産時間を短縮でき、コストはかなり安く済む。

エッチングは、意外と歴史が古く、15世紀中盤頃から使用されている。

現代においては、エッチング技術は非常に高度に発達・発展しており、写真の転写技術などと融合して、PCの基盤や集積回路をデザインしたり、専用のエッチング剤を使ったウェットエッチングや、ガスのプラズマ化によるドライエッチングで、半導体の薄膜形成を行うなど、人の指先では絶対に不可能な領域の加工をも実現している。

・エッチングの個人利用

元々、エッチングは、工業的な利用を主眼としていた技術だが、現代では個人的な目的でも使う人がいる。

例えば、DIYの一環として、マグカップなどの側面に、オリジナルのデザインをエッチング加工して作り出す人もいる。

中には、エッチングでアート作品を作ってしまう強者もいる。

エッチング処理の際、薬品の量と時間を調整することで、エッチングの強弱をつけることができるため、デザインに濃淡をつけることが可能となり、表現の幅を広げることができるからだ。


関連項目

なし


 

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