そっけない接し方
の事。
そのそっけなさは、かなりのもので、見る側にとっては、
「この人、やる気なさそう」
「私が嫌いなんだろうな・・・」
とすら感じられる程である。
仕事にしろプライベートにしろ、人同士の会話の中では、それなりに感情が表情が出るもの。
しかし、塩対応の場合は、
- 感情が全く表情に出ない
- 無表情
- その場しのぎの言葉が多い
- 淡々と話を進める
といった感じになる。
そういう、相手が不快感を感じるような態度や対応を、味覚の“しょっぱさ”に例えて、“塩対応”という言葉が生まれた。
ちなみに、塩対応の反対語は神対応という。
・“塩対応”の主な対象
塩対応と呼ばれる対象は、
芸能人などの有名人や政財界の著名人、つまり、マスコミに注目されやすい人。
また、性別は男性よりも女性の方が圧倒的に多い。
特に、芸能界では、
女性アイドルがやり玉に挙げられることが多い。
例えば、女性アイドルが、握手会や撮影会などの、ファンと間近で接する機会が設けられた会場で、そっけない言動をしたとする。
すると後日(早ければ当日)、巨大掲示板やゴシップブログなどのネットメディアで“塩対応”と書かれる。
アイドル本人がそんなつもりは無くても、ファンにとってはとても残念な対応だと思われた場合は、
「○○ちゃんの握手会での塩対応ぶりにガッカリ・・・」
などと書かれてしまう。
女性アイドル側にしてみれば、それは寝耳に水であり、落胆させられる要因にもなりかねない。
芸能人は、芸能界で気の抜けない日々が続き、努力を重ね続けて、肉体的にも精神的にも、ギリギリの状態にいる場合もある。
そんなときに、努力が報われない形で“塩対応”などと書かれてしまっては、
「じゃあもう、それでいくし・・・」
といった感じで、半ば自暴自棄になり、それこそ本当に“塩対応アイドル”になってしまうこともある。
まあ解らなくはない。
もちろん、例外もある。
疲れ切って塩対応に“なってしまった”のではなく、元々、塩対応なアイドルもいた。
有名どころでは、かつての巨大アイドルグループAKB48のぱるること、島崎遥香。
当時の彼女の塩対応ぶりは徹底的で、彼女自身が塩対応の代名詞にもなった。
ネット上でかなり叩かれた時期もあったが、ずーっと変わらず塩対応だったので、
逆に、
「だが、それがいい」
的なコアなファンがついていた。
・塩対応のもう一つの意味
塩対応には
「しょっぱい対応」
という意味と、もう一つ
“相手を舐めた態度”
という意味を表すことがある。
人間は、味覚で“しょっぱい”と感じると、舌なめずりする。
それが比喩表現として転じて、
「人を舐めている」
といった意味になった。
開き直った女性アイドルによく見られる傾向がある。
こういうアイドルは、一時的には話題に上って注目されるが、卒業後にその子が大活躍したケースはあまり見られない。
・塩対応の真逆“神対応”
ちなみに、塩対応の逆のケースは
“神対応”と呼ばれ、
ファンの間で非常に高い評価が生まれる。
例えば握手会の時に、相手の目を見ながら手を握って、まるで、“そのファンの彼女”であるかのように話しかけてくれたりすると、ツイッターなどのネットメディアに速攻で「神対応」などとツイートが連投されたりする。
目がハートになるような神対応が、アイドル自身が狙ってやっている仕事上のサービスであったとしても、してもらう側はとても気分がいい。
なので、分かってはいても、
やっぱり惚れてしまうのは男の性(さが)として否めないものだ。