ツーペイとは何なのかわかりやすく解説

ツーペイ(英:two pay)をわかりやすく言うと、

「差し引きゼロ」
「損得なし」
「結果的にプラスマイナスゼロ」

という意味の言葉である。

ツーペーと発音することもある。

two pay を日本語に訳すと「二人が支払う」「相互に支払いあう」「双方負担」などという意味になる。

それが転じて、「差し引きゼロ」「損得ゼロ」「結果的にプラスマイナスゼロ」という意味の言葉として使われるようになった。

ツーペイという言葉は、取引を行う際のビジネス用語としての意味合いが強く、あまり一般的に使われるケースは少ない。

また、ツーペイは日本独自の表現(和製英語)に近く、英語では「双方負担」を意味する言葉として、「split payment」や「shared payment」が用いられることが多いため、ツーペイを海外でそのまま使うと通じにくい。

・ツーペイ以外の表現が一般的

ツーペイは一般的には使われておらず、別の表現をされることがほとんど。
具体的には主に、以下のような言い方をすることが多い。

  1. 「ワリカン」(割り勘)
  2. 「持ちつ持たれつ」
  3. 「お互い様」
  4. 「とんとん」

ちなみに、ツーペイの別の表現として「いってこい」がある。

ただし、「いってこい」の場合は、「最初は得をしたが後で損をしたため、結果的にプラマイゼロ」という意味合いの言葉である。

「いってこい」は日本の古いビジネス用語の部類であり、一般的な知名度および使用頻度は非常に低く、一部の業界(為替相場などの取引業界)でしか使われていない。

・ツーペイの使用例

「Aの契約を成立させたが、代わりにBの契約をさせられたのでツーペイになった」
「交通事故の損害賠償でA社とB社がツーペイで賠償金を支払うことになった」

など。

ツーペイは、一般的にはほとんど使われない表現である。

・ビジネスや法律で使われるツーペイ

ツーペイは、主に、ビジネスや法律の分野で用いられます。

具体的には、以下のような場合に使用される。

  • 商品売買や共同開発の費用負担において、
    契約書や請求書などで、双方の負担を明確にする。
  • 訴訟などで、双方の責任を均等に負わせる。
  • 損害賠償などで、双方が同額を支払うことを意味する。

◆商品売買の契約でのツーペイ

A社とB社が商品の売買契約を行う場合、代金の支払いについて、リスクを分散するためにツーペイを採用する場合がある。

「代金は、A社がB社に100万円を支払い、B社がA社に100万円を支払うものとする。」

と契約書に定め、お互いの商品の価格(価値)を同額にするツーペイを行い、損得無しのリスク分散を行うことができる。

◆共同開発における費用負担のツーペイ

同じモノをA社とB社で共同で開発する際に、費用の負担をツーペイにする。

「同じモノを一緒に開発するのだから、開発費は互いに同じ額を負担しましょう」

という契約である。

◆訴訟による責任と賠償額のツーペイ

訴訟において、A社とB社が交通事故を起こし、双方に責任があるとみられる場合、責任についてはツーペイとなる。

そして、双方の過失割合が50対50と認定された場合、損害賠償額もツーペイとなり、双方が同額を負担することになる。

賠償の総額が200万円だった場合、裁判所はツーペイに基づいて「A社とB社は相互に100万円ずつ支払うものとする。」と判決を下すことになる。

ツーペイは、双方の負担を明確にするために有効な手段だが、その一方で、双方に責任がある場合でも、一方が不当に損害を被る可能性があるという危険性をはらんでいる。

例えば、前述の事故のケースの場合、Bの方の損害金額が150万円だったとすると、ツーペイによって100万円分しか返ってこないことになるため、50万円分の被害を不当に被ることになる。

・ツーペイの語源の意味

アメリカの家庭用ボードゲーム「モノポリー」には、「ツーペー」と呼ばれる「2種類のカラーグループの権利書を2人で持ち合っている状態」がある。

この「ツーペー」は、英語の「two pair」に由来する。

この状態の時、権利を持った人の土地のマスに止まると、プレイヤーは権利を持つ2人に同じ金額をそれぞれ支払わなければならない。
つまり2人に支払わないといけないから「two pay」となる。

そこからツーペーをツーペイと呼ぶようになったと言われている。

この意味になる場合のpayは、普通に「支払う」の意味の他動詞のpayである。

しかし、payには自動詞としての意味もある。

自動詞の場合のpayの意味は、

  • 得になる
  • 報われる
  • 割に合う
  • 良い結果をもたらす
  • 引き合う
  • 相殺する

である。

例文
Honesty pays in the long run. (正直者が結局は割に合う)
It wouldn’t pay. (それは割に合わない)

日本で使われるツーペイの言葉の意味合いを考えると、
自動詞としてのpayの意味の方が合っているのではないかと思われる。

したがって、ツーペイの語源は英語のtwo pay だが、意味は自動詞のpayの方が近いと考えられる。

 


関連項目

なし


 

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