どちらも、勇敢な人物の行動を示す言葉ですよね。
でも、それらの言葉の意味には根底に明らかな違いがあります。
今回は、具体例を挙げて、蛮勇と勇気の意味の違いをまとめてみました。
皆様のお役に立てれば幸いです。
■蛮勇と勇気の違い
・蛮勇(ばんゆう)とは
後先考えずに危険に立ち向かったり、
危険な場所へ行ったりする行為または心意気のこと。
・勇気(ゆうき)とは
人が恐れることに対し、
冷静で理性的に立ち向かっていける心意気。
それぞれの意味をざっくり書くと、こんなところですね。
しかし、意味だけ読んでも、
あまりパッとしない人もいるかもしれません。
そこで、わかりやすい具体例を次項で挙げながら解説します。
■蛮勇と勇気の具体例
例えば、一般人がヤクザと揉めて和解するための交渉する際に、弁護士をたてて、警察官や警備員を同行させるのは勇気です。
勇気のない人は、ヤクザの脅しに屈して泣き寝入りするか夜逃げしてしまうでしょう。
それゆえに、法的機関をたてて理性的にもめ事を解決しようとする姿勢は勇気と言えます。
しかし、ここでもし、自分だけでヤクザと交渉しようとヤクザの事務所に一人で行くのは、明らかに蛮勇です。
ヤクザにそのまま捕まって、家族や就職先に身代金を要求されたり、最悪の場合殺されたりする可能性もあります。
そういう危険性を認識しているにも関わらず一人で交渉に行ったとしたら、それはもう無謀の一言です。
いかがでしょうか?
蛮勇と勇気の違いが、わかりやすくイメージできたと思います。
■人はそれを蛮勇と呼ぶ
2015年に起こった、イスラム過激派組織“イスラム国”による日本人人質事件で犠牲者が出ましたね。
殺害されたジャーナリストの後藤健二さんの行動に対し、当時の自民党副総裁の高村正彦氏が語った
「3度にわたる日本政府の警告にもかかわらず、テロリスト支配地域に入ったのは、真の勇気ではなく、蛮勇と言わざるを得ない。」
という言葉は、正に蛮勇の分かりやすい事例そのものです。
そう、勇気と蛮勇の大きな違いは
「後々の周囲への影響を考えているかいないか」
ですね。
どんなに正義感に溢れ、正しいと感じて行動に移したとしても、周囲の心配や迷惑を考えないのなら、人はそれを蛮勇と呼ぶのです。
■まとめ
- 自分だけでなく、
周囲への影響を考えて
危険に立ち向かうのが勇気
- 周囲への影響を鑑みず、
自分だけの価値観・正義感で
危険に飛び込んでしまうのが蛮勇
こんなところですね。
しかし、蛮勇のおかげで物事が電撃的に解決することが現実にあるのも事実。
例えば、刃物を持ったコンビニ強盗を店員がモップで撃退したなど。
決して、蛮勇が悪いこととは言いきれないのです。
では、今回はこの辺で。