年末年始になると、
門松が飾られているのをちらほら見かけますよね。
しかし、門松を2つ飾っているところもあれば、門松を1つしか飾っていないところもあります。
そこで疑問!
門松はひとつでもいいの?
あなたもそう思いませんか?
結論から言うと、
門松は一つでもOKです!!
決して、2つ必要なワケではないのです。
実は門松は、元々は庭先などに一つ飾るのが普通でした。
しかし、神社などの神様を祀る場所では、左右二対にそれぞれ門松を飾っていました。
その理由は、左右対称の守り神などを祀っていたからです。
狛犬が左右に2体いるのも似たような理由です。
そのため、左右二対で門松を飾る慣習が、一般家庭にも広まったというワケですね。
なので、門松を1つしか飾らない家もあれば、左右二対で2つ飾る家もあるというワケです。
まあ、実際問題として、
門松は高い!
というのもあります。
なので、1つで済むなら、それに越したことはないワケで・・・。(苦笑)
それに、お宅によっては、
物理的に2つ飾るスペースが玄関付近に無い!
ということもあります。
例えば、一般的なマンションやアパートでは、門松を飾るようなスペースがほとんどありませんしね。
というワケで、門松は1つでも良いのです。
2つじゃなくてもいいのです。
これから準備する方にとっては、経済的にも物理的にも朗報だったんじゃないでしょうか。(笑)
ちなみに、現代では、室内に飾るようなミニチュアの門松が量販店で普通に販売されています。
ミニチュアならスペースもとらないし、室内にも飾れるので便利ですね!
■そもそも門松とは?
門松とは、立て松、松飾り、飾り松とも呼ばれる正月飾りのひとつです。
古来、木の梢には神が宿るという考え方があり、年神様(としがみさま)を家に迎え入れるための依り代という意味合いがあるそうです。
年神様は、門松を目印にして家に降臨すると言われています。
また、松と竹を組み合わせる理由は、
「松は千歳を契り、竹は万歳を契る」
という言葉から来ています。
つまり、「ずっと神様に家にいて欲しい」という願いを込めた飾りなのです。
■門松の起源
門松の起源は古代中国にあります。
中国では、松は生命力、繁栄、不老長寿の象徴と考えられていて、それを飾ることで一族の繁栄や発展を願った習慣が、古代中国の唐の時代※に見られたそうです。
(※正月に松を飾る習慣は、現代の中国では一部の地域しかなく、一般的には桃の木の人形や札を飾る風習の方がメジャーだそうです。)
その習慣が、平安時代の日本に伝わったと考えられています。
また、平安時代の宮中では「小松引き」という行事があったそうです。
小松引きとは、初子の日(その年の最初の子の日)に、松の小木を引き抜いて持ち帰って長寿祈願する習慣のこと。
中国と同様に、日本でも松は生命力の象徴とされていたことと、語呂合わせで「祀る」という言葉に通ずる樹木であると言われていたため、宮中では縁起物とされて愛好されていたそうです。
その習慣が、現代日本の門松を飾る習慣に変化したものと言われています。
ちなみに、平安時代の門松は松の木のみであり、現代のように竹と合わせて飾るようになったのは、鎌倉時代から。
そして、門松の竹を斜めに切る「そぎ」は徳川家康が始めた※と言われています。
(※あくまでも一説です。)
三方ヶ原の戦い(1572年12月)に敗れた徳川家康は、武田方から「松枯れて 竹類いなき 明日かな」という句を送られたため、仕返しとして「まつかれで だけだくびなき あしたかな」という句とともに、竹を斜めに切った門松を送りつけたというエピソードがあったそうです。
なお、竹を真横に切ったものを「寸胴」(ずんどう)と言い、主に武田流門松として現代の山梨県庁舎などで飾られているそうです。
こんなところですね。
最近では、門松が一般家庭の玄関前に飾られているのを見かけることがなくなりました。
大手のスーパーやパチンコ店、昔からの大家の門前や参拝者の多い神社などでは、今でも門松が見られますが。
今では、しめ飾りだけの家がちらほら見られるくらいで、正月飾り自体をしない家も多くあります。
時代の流れでしょうかね?
では、今回はこの辺で。
■関連項目