そのジーンズには、
なぜか小さいポケットがありますよね?
なぜ、ジーンズには小さいポケットがついているのか?
その答えはズバリ、
懐中時計を入れていた時代のなごり
です!
実は、この小さなポケットの名前は、現代ではコインポケットと言いますが、昔はウォッチポケットと言い、懐中時計を入れるために使われていたのです。
ジーンズは1870年頃、アメリカのカリフォルニア州で働く労働者からの強い要望で作られました。
(ジーンズを作ったのは、現・リーバイスの創業者リーバイ・ストラウス氏。)
当時はゴールドラッシュの真っ最中で、過酷な労働に耐えられる作業着が必要とされていました。
今のようなファッションではなく、あくまでも丈夫な作業着として作られたのです。
当然、懐中時計を入れるためのポケットは、最初はありませんでした。
ゴールドラッシュの話を聞きつけた人たちが、世界中からカリフォルニアに集まったため、ジーンズも爆発的に売れて世界に広まったのです。
ジーンズが流通してくると、労働者でなくともジーンズをはく人が出てきました。
■当時の懐中時計は壊れやすかった
懐中時計は、当時は貴重で高価な品物で、壊れやすい存在でした。
当時の交通手段の馬に乗っていると、馬が急に暴れだしてポケットから落ちたり、
ジーンズの後ろのポケットに入れると、座った時に体重で壊れてしまったりすることもありました。
そこで、リーバイ・ストラウス氏は、ジーンズに懐中時計専用のウォッチポケットを取り付けたのです。
前かがみの姿勢になった時もあまり影響がない、右の前ポケットの内側にウォッチポケットを作ったのです。
(右利きの人が多いため、右側につけた。)
これこそが、現代のジーンズの小さいポケットの原点というワケですね。
ウォッチポケットによって、懐中時計を落としたり潰したりして壊すことはほとんど無くなったのです。
このウォッチポケットつきジーンズも爆発的に売れました。
しかしながら、懐中時計は、当時は非常に高価な品物。
労働者の現場監督や親方等は、多少裕福だったため、懐中時計を持っていました。
しかし、そもそもゴールドラッシュで一獲千金を狙うような貧乏な一般労働者は、懐中時計を持っていませんでした。
持ってない人の方が多いのに…
なぜ爆発的にウォッチポケットつきジーンズが売れたのか?
それには、人の欲望が絡んでいたのです。
「一獲千金で、ウォッチポケットに入れる懐中時計を手に入れられる人物になるぞ!」
という夢と希望(野心)、
または、
「ウォッチポケット付きのジーンズをはいて、懐中時計を持っている裕福な人物と思われたい」
という浅はかな見栄もあり、ウォッチポケットつきのジーンズが労働者たちの間でも飛ぶように売れたのです。
まあ、作業着としても優秀だったというのも、もちろんありますが…。
余談ですが、ゴールドラッシュの時に一獲千金を得たのは、鉱脈や砂金を掘り当てた労働者ではなく、労働用の工具や靴、ジーンズを売り出した商人たちでした。
真の意味でゴールドラッシュが訪れたのは、需要と供給を見極めたリーバイ・ストラウスさんたちのようなブローカーだったというワケですね。
現代では、ジーンズのコインポケットは、コインだけではなく、切符を入れたり、鍵を入れたり、紙幣を折り曲げて入れたりなど、さまざまな用途で使われています。
親指を入れて歩いている人を街で見かけたことがあります。
人それぞれですね~。(笑)
あなたは、何を入れていますか?
私は何も入れません。(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目