今回は、その違いについてちょっと書いてみます。
違いを説明するには、
これらの賞の定義を知らなくてはなりません。
まずは、各賞の定義から。
■芥川賞と直木賞の定義
芥川賞は、
純文学の新人に与えられる文学賞
直木賞は、
無名・新人~中堅作家の
大衆小説作品に与えられる文学賞
両賞の定義を簡単に説明すると以上のようになります。
ちなみに、芥川賞や直木賞は通称。
正式名称はそれぞれ、芥川龍之介賞・直木三十五賞。
それぞれ、有名な小説家の名前が、そのまま賞の名前になっています。
■芥川賞と直木賞の違い
芥川賞と直木賞には大きく分けて4つの違いがあります。
- 作品のカテゴリ(ジャンル)の違い
- 受賞対象の違い
- 作品の長さの違い
- 作者のキャリアの長さの違い
◆違い1:作品のカテゴリ(ジャンル)の違い
芥川賞は純文学作品で、
直木賞は大衆小説作品。
この違いは、
定義を見ただけでもわかりますね。
◆違い2:受賞対象の違い
芥川賞は作品を書いた人物が対象。
直木賞は作品そのものが対象。
まあ、結局のところ、受賞の名誉と実績は作者本人が受け取るので、大した違いはありませんね。
どちらにしろ名誉なことです。
◆違い3:作品の長さの違い
芥川賞では、
短編~中篇くらいの比較的短い作品。
直木賞では、長編も含まれます。
◆違い4:作者のキャリアの長さの違い
芥川賞は新人が対象。
直木賞は無名および新人~中堅クラスまで。
直木賞は対象者が幅広い。
しかし、近年の芥川賞の受賞者には、阿部 和重(あべ かずしげ)さんなど、とても新人とは言えない名作家が受賞していることもあります。
また、直木賞の選考では、実績のある名作家が選ばれることが多い。
なので、新人が直木賞をとることは難しくなっている模様。
つまり、芥川賞・直木賞のどちらにおいても、新人という定義は半ば形骸化しているのが現状のようですね。
でもまあ、どちらの賞も、優れた作品と作者に贈られる立派な賞。
その名誉は今も昔も変わりないのです。
では、今回はこの辺で。